「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魅惑のツィーター「スーパー3」

2018年05月26日 | オーディオ談義

これが、つい先日オークションに出品されたツィーター。巨大なマグネットを目にして思わず息を呑んでしまった。 

   

タイトルは「英国 ビンテージ Wharfedale Super 3 重量級 アルニコ ツイーター 優雅な響き ―とても貴重な 初期型 アルニコ Gold Magnet ユニット」

昨年、ワーフェデールのユニットを運よく落札し、味をしめて以降静岡県のTさんの出品物はいつも「アラート」機能にかけているので出品のたびにメールで知らせてくれる。

今回登場したこの「スーパー3」だが、このマグネットを黙って見過ごせるほど自分はまだ成仏しきっていない(笑)。

周知のとおりSPユニットはコーン紙タイプにしろ金属のダイヤフラム・タイプにしろ、その機能の生殺与奪の権をにぎっているのは強力なマグネット次第だが、口径の小さなコーン紙(口径10センチ)に対してこれほどの大型マグネットを初めて見た。ついロ-サー(イギリス)を連想してしまう。

ツィーターは有り余るほど持っているが、とても強烈な誘惑に抗しがたく右手が勝手に動いて入札欄を「ポチッ」(笑)。

いつものことながら「T」さんの「ふつふつと愛情が伝わってくる」詳しい解説をみてみよう。

「Wharfedale社の、3インチコーン・ツイーター、Super 3。2本での出品です。

ラベルからもわかりますように、組み込み用バージョンではなく、単品として販売されていた品です。まだ、モノーラル中心の1950年代前半の製品ですので、完全な揃いはなかなか見つけることはできません。出品の品は、比較的揃っていますが、コルゲーション・ダンパーに片方はカバーかかっていますが、もう片方にはこのカバーがありません。(これが一般的です。)その意味で、厳密に、pairではなく2本としましたが、pairとしてステレオ使用するのに全く問題はありません。
 

Super 3は、Wharfedale社を代表するツイーターで、高級システムW70をはじめとして、数多くのシステムに使われておりました。また、Leak社のスピーカーシステムにも使われるなど、タイプは全く異なりますが、Peerless社のMT25と並んで、この時代のヨーロッパを代表するツイーターになっておりました。
 
出品のSuper 3は、中でもとりわけ貴重な、初期型のアルニコ Gold マグネットを搭載したユニットで、Wharfedale社の最高級機SFB/3などに採用されていました。画像からもわかりますように、巨大なアルニコ・マグネットで、Red アルニコ時代のSuper 5のマグネットよりはるかに大きなものが使われています。(Wharfedale社のマグネットは、アルニコ Gold タイプ→アルニコ Red タイプ→フェライトタイプと変わっていきますが、Super 3についてはアルニコ Red タイプは存在しなかったようです。)
 
音質的には、重量級のマグネットの効果でしょうか、コーン型としては、反応が早く、切れのある音で、ホーン型に負けない音の強さがあります。フェライトタイプのSuper 3で時に感じられる「キツイ」という感じも、このアルニコタイプにはありませんので、ゆったりと、まさに優雅に音楽に浸ることができます。

また、上品で、透明度の高い音は、ジャーマン・ビンテージの高域に通ずるものがありますので、イギリス系のビンテージはもちろん、ジャーマン・ビンテージとの組み合わせも、よい結果が得られます。 (当方、出品のものとは別の10-15ΩタイプのSuper 3を、一時期、Siemens15dと繋いでおりましたが、心地よい音楽を奏でてくれました。)
 
およそのサイズは、ラウンド径92.5mm。取り付け寸法が、ネジ穴対角で、およそ100mmになっています。
 
イングランド・トーンを愛する方、ジャーマン・ビンテージのファンの方、38μF程度のコンデンサーによるローカットでフルレンジの高域補正に、また、本格的なネットワークを使用しての2way構成にいかがでしょうか。」

以上のとおりだが、運も手伝って見事に落札を果たした。やはり超希少品ともなると「ふさわしい情熱の持ち主」のところに落ち着くようだ(笑)。

Tさんにお尋ねすると「3000ヘルツ以上で使うのがベスト」とのことなので、JBLのD130(イン・ウェストミンスター)の上に載せることにした。

したがってチャンデバのクロスオーバーを5000ヘルツ仕様から3000ヘルツにわざわざ改造してもらって「一日千秋」の思いで待ち続けたところ無事到着(19日)。

さあ、胸をワクワクさせながら既存のバッフルに取り付けて試聴してみた。

        

前述のように3000ヘルツ以上を受け持たせており、駆動するアンプは「171(トリタン)シングル」だ。前段管は「MH4」(マルコーニ:メッシュプレート)、整流管は480(スパートン:メッシュプレート)という、まずは簡単に手に入らない超希少管ばかり。

このブログはやたらに「超」という文字が出てくるのがちょっと気になる
(笑)。

    

この組み合わせで悪い音の出ようはずがない・・。

解説文にあったとおり、重量級マグネットのおかげで「反応が早い」「切れ味が鋭い」で、まごうことなくホーン型に負けない音だった。しかもヴァイオリンは言うに及ばずシンバルにも十分対応できるのでクラシックもジャズも両方いける見事な「二刀流」(笑)。

また清澄感が抜きんでているので、075ツィーターを付け加える気にサラサラならないのが何とも不思議で、これまで使ってきた数々のツィーターのうちでもベストと折り紙を付けてもいいくらい。

しかし人間の欲というものはつくづく恐ろしい。3000ヘルツ以下が大型ホーン(ウェストミンスター)なので、負けてはならじと今度は木製ホーンに入れてみた。

取り付けるバッフルの加工に1時間ほどかかり、緑色の塗料が余っていたので塗ってみた。

     

ホーン(後面開放)のせいで後ろ側からの音〈逆相)の回り込みが少なくなったせいだろうか、一段と中低音域とのつながりが良くなった気がする。

見かけも良さそうなので、これで完全に決まり~(笑)。



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