退職後の“手すさび”にと、はじめたブログだがこれまでに投稿した記事が1450件前後に達した。よくもまあ9年半も飽きもせずというのが正直な感想だが、年間当たりにすると150件で、これは2~3日毎の更新というペース。
どの記事も気合をいれて作ったつもりだが読者受けという面からすると、ピンからキリまであって千差万別。たとえば意気込んで書いた自信のある記事がサッパリだったり、アッサリ流した記事がアクセス数が多かったりで、世間との感覚のズレをしょっちゅう感じるが、これがいい意味で刺激になっている。
ちなみに、人気記事を過去記事ランキングの常連組として挙げてみると「サマセットモームの短編小説・雨」 「松井を甘く見過ぎたペドロマルティネス」 「ユダヤ教徒が豚肉を食べない理由」などがある。
いずれもこのブログの中枢に据えているクラシックやオーデイオとは程遠い記事ばかりで、いかに特殊でマイナーな趣味であるかがよくわかる。また全般的に作者の主観が入った記事よりも客観的で情報提供的な記事が好まれる傾向があり、これは日変わりで読み流されていくブログの宿命だろう。
「内容の深さは二の次でいいから目新しい情報を出せ」というのが読者の声だろうが、いわば広くて浅くて軽い内容はじぶんにピッタリなので、こういう傾向は歓迎(笑)。
さて、一昨日(10日)の早朝パソコンを開いて過去記事の「ページごとの閲覧数」を観たらダントツだったのが「“ちあきなおみ”はなぜ歌わない」だった。2009年11月11日に登載した記事だからおよそ7年前の古い記事がなぜトップに?
すぐにピ~ンときたねえ!
前日(9日)の夜、民放のBSハイ番組「武田鉄矢の昭和は輝いていたSP」~ちあきなおみ特集~(2時間)放映のせいだ。
この番組を観たあとで気になった人たちが「ちあきなおみ」でググってみたらこの記事が上位にあったということだろう。
もちろんじぶんも目ざとくこの番組に気が付いたので逃さず録画した。
この番組をじっくり拝見したところ、これまで数々の「ちあきなおみ特集」を観てきたが、今回の番組が「ちあきなおみ」の魅力を一番浮き彫りにしていた。
武田鉄矢の司会も良かったが、作曲家、作詞家、プロデューサーなどのゲストが彩りを添えていて作曲や歌唱にまつわる裏話がとても面白かった。
取り分け難しい歌唱力を求められる「かもめの街」の語りの部分にまつわるエピソードは秀逸。また、ちあきなおみがレコーディングするときは黒幕を周囲に張り巡らして作曲家でさえ立ち入り禁止にして独りきりで情感に浸って吹き込むなどの興味深い話が満載だった。
この番組を見ていて「ちあきなおみ」の魅力には改めてホトホト参ってしまい、もう一度歌ってくれないものかと切実に思った。しかし、彼女も寄る年波には勝てず年齢も60代後半になったことだし、もう無理かもねえ。実に惜しい!
「ちあきなおみ」がなぜいきなり早期引退して歌わないのか、気になる方は次の記事にクリックをどうぞ。
「ちあきなおみはなぜ歌わない?」(2009.11.11)