「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

テレフンケン「RS289アンプ」とのお別れ

2018年09月04日 | オーディオ談義

ようやく朝晩に涼しい気配が漂ってきた。

9月といえば暑かった夏の想い出と爽やかな秋への橋渡しをしてくれる月だが「セプテンバー・ソング」という歌があるように、(月の)名前がそのまま曲目のタイトルになるのは珍しい。

ネットの受け売りだが、この歌には「日が短くなるこの時期を愛の感情に重ねて歌い上げる曲です。明るい夏が終る九月という月の持つ季節の変わり目に対して、人が無意識に感じる感傷を表現しています。あるいは人生の秋、無駄にする時間は無くなり、残り少ない時間をあなたと共に過したいという意味も感じられます。」
と、ある。

たしかに「オーガスト・ソング」なんて、まったく様にならないし(笑)、かといって「オクトーバー・ソング」となるとちょっと直截過ぎるし、(9月は)1年の中でも曖昧模糊とした独特の月のような気がする。

それにしても今年の夏はことのほか暑かった。ギラギラと太陽が照り付けるような熱気を感じたが、しかしその暑さもテレフンケンの「RS289」アンプの出現で気が紛れたようで夏の後半はあまり暑さが気にならなかった。

「心頭滅却すれば火もまた涼し~快川和尚~」
かな(笑)。

このアンプの紹介は先日のブログ「凄いアンプ!」(2018.8.17)で紹介させてもらったが、この過去記事へのアクセスぶりがいまだに「凄いこと!」になっている。それだけ読者の興味を引いているということだろう。

このアンプを借り受けてから3週間ほど堪能させてもらったが、とうとうお別れの日がやってきた。人生に出会いと別れはつきものだ(笑)。

先日、アンプの製作者「チューブオーディオラボ」さん(新潟県)から、ご連絡があって「ぼちぼち次の方が待っておられますので・・・・。」と、遠慮がちな督促があった。

「あっ、そうですね。とてもいい音がするのでつい夢中になって時が経つのを忘れてしまいました。10月初旬のオーディオフェア(東京)に間に合わないと大変なことになりますね。次はどちらの方に送付したらいいんでしょうか?」

「久留米市のMさんにお願いします。一応の話は通じていますが、一度ご連絡をとってみてください。」

久留米市(福岡県)といえば中心部に有名な「久留米市美術館」がある。以前はたしか「石橋美術館」と言っていた。ブリジストン・タイヤで有名な「石橋財団のコレクション」が母体である。ちなみに、ブリジストンの由来は「ブリッジ(橋)、ストーン(石)」の合成語である。また、したり顔して余計なことを言う(笑)。

とにかく、久留米は近傍の方々を含めて高級なオーディオ愛好家が集積していることで有名である。

オーディオのためにはお金に糸目をつけない感じの人が多くて(笑)、中でもMさんは豪華なアンプとタンノイさんの「オートグラフ」をはじめとしたスピーカーの収集ぶりを、つとに耳にしている。

Mさんと連絡が通じ合い、住所をしっかりお聞きして無事発送が終了した。

      

画像のとおり、容れ物が大きいし、アンプは重たいしで運送業者に取りに来てもらった。

あ~あ、このアンプともとうとうお別れか、淋しくなるなあ~。

我が家のシステムに大いに新風を巻き起こし、様々な弱点をあぶり出してくれたので実に感謝に堪えないところ。

改めて整理しておくと次の2点に尽きる。

☆ ウェストミンスターの新たな編成

これまでクロスオーバーが1000ヘルツのチャンデバを使って2ウェイマルチで鳴らしていたが、「WE300B・6A3兼用アンプ」の資質をより生かそうと、別のチャンデバを使ってクロス5000ヘルツで使用したところまさに「ドツボ」にはまったみたいで素晴らしい音になった。

これにはその後さらに発展があって、ウェストミンスターにふさわしい強力なパワーが欲しくなったので5000ヘルツまでをTRアンプに換えたところ力強さに思わず唸った。

クロス1000ヘルツのケースで実験したときは低音域のTRアンプと高音域の真空管アンプとの肌触りがまったく合わず水と油だったが、クロス5000ヘルツとなると違和感が無くなるのだからうれしくなる。

量感と質感がマッチした本格的な低音を得ようと思ったら、やはり真空管アンプなら前述の「RS289」アンプのようなプッシュプル方式が理想で、次にはTRアンプかなあ・・・。

☆ AXIOM80のエンクロージャーの改造

じゃじゃ馬的なユニットとして知られるAXIOM 80だが、これまでそこそこ鳴っていると思っていたが、RS289 アンプに触発されてエンクロージャーを全面的に見直す契機となった。

吸音材の入れ替えによる容積の拡大、ARU(背圧調整器)の改良などによる効果は絶大だった。

以上、「RS289」アンプに対する感謝の念は堪えないが、あとは本番の「真空管アンプオーディオフェア」(東京:10月7~8日)での活躍を祈るのみ。

なにしろ「真空管アンプ製作の熟練者」と「古典管の生き字引=北国の真空管博士」とのコラボだから「鬼に金棒」のはずで、きっと期待を裏切ることはないと思いますよ~。



 


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