「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

マランツ10B「FMチューナー」

2018年02月22日 | オークション情報

今回のオークション情報は「落札しようか、しまいか」と、大いに迷った挙句に、とうとう断念したというお話。

「おいおい、デジタル全盛の今どきにFMチューナーかよ~」と、言われそうだが、「マランツの10B」が出品されたとなると、おいそれと無視するわけにもいくまい(笑)。

         

昔から「FMチューナーの王様」として君臨してきており、実際にクチコミでもメチャ音がいいと何度でも聞かされてきた。現在でもオーディオショップで売られている相場は中古品にもかかわらず40万円(保証付き)前後もする。

CDなどのデジタルソースが山ほど身の回りにあって、今でさえ十分聴きこなせていないのに、それほど音が良いとも思えないFM放送になぜ触手を伸ばすのかと、問われたらこう答えたい。

 自宅が小高い丘の上にあり、NHKのFM放送の中継基地が見えるほどの「強電界地域」なので、小ぶりのアンテナで受信してもきっと「いい音」がすることだろう。

 このところ積極的に音楽を聴きにいこうとしない傾向があることを自覚している。CDをプレイヤーに放り込むのが何だか億劫になってきた。その点FM放送で受動的に音楽を聴く方が何だか楽だし、たまには音質なんか気にせずに聴き流したい気もする。

 昔は音楽を聴くのに解説を聞くのは邪魔だと思っていたが、この頃はいきなり音楽ではなくて前座みたいなものが欲しくなってきた。たとえば仲間の情報によると、日本の女流ヴァイオリニスト「千住真理子」さんが選曲された音楽番組や、つい先日話題にした「片山杜秀」さん(評論家)のトーク番組などが放送されたりと、FM放送はヴァラエティに富んでいそうだ。また、未知の音楽の世界が広がるのも期待できる。

と、いったところかな。

とりあえず入札に向けての情報入手を開始した。

まず、10Bにはたくさんの真空管が使用されている。ありふれた12AU7や12AX7などのほかに一番使用されているのが「6JK6」という珍しい球で10本以上使ってある。

    

「何じゃ、この球は?」

分からないときは「北国の真空管博士」の出番である。すると、さすがに博覧強記の博士でも馴染みの薄い球のようで、「10Bって左側にブラウン管の付いたチューナーですね。ちょっと海外のオークションを開いてみましょうかね」ということで、ご覧になっていただくと「ああ、ありました。相場は1本が5000円程度です。おそらくマランツ効果でしょうか、結構いい値段がしてますね~。」

真空管は消耗品なので古くなるとガサゴソと音が出だしてノイズの宝庫になる。スペアの確保は必須だが、まとめて取り換えるとなるとちょっと高価過ぎるようで、冷や水を浴びせられた思いがした。これは明らかにマイナス要因。

次にFMのバンド(帯域)の問題がある。10Bはアメリカ向けのバンドになっているが、はたして日本向けのバンドに変更する必要があるのだろうか?

日ごろFM放送を楽しんでおられるメル友の「I」さん(東海地方)にお尋ねしてみた。すると、次のような返信があった。

当地にマッキンやマランツのヴィンテージの修理をしているYさんという人がいます。私のラックスのアンプも長年診てもらっています。  

バンドの件聞いてみました。 

アメリカ仕様は88から108MHzだそうで、変更修理はできるそうですが、コイルの巻き直しとかが必要だとのこと。アンプが専門なのでたくさんの経験はないそうです。 

ただ、〇〇市ですとNHKが88.8なのでそのまま使えます。お客さんはみなそのままだそうです。私もそうですが、NHK以外は聴かないですよね。  

ヤフオクがいま54000円ですが、「何倍にもなるでしょう」と仰っていました。 

肝心の音質については「抜群にいいです!!」とのこと。ああ、聞かなければよかった(笑)」

と、以上のとおりで疑問は氷解した。ほんとうにメル友はありがたい。

バンドの変更不要と、専門家による音質の評価が「抜群にいいです!!」とは、これは明らかに落札に向けてのプラス要因である。

以上のとおり、プラスとマイナス要因の凌ぎ合いだが、もうひとつ、肝心のお値段が青天井でどこまで上がることやら、それにメンテの費用もどのくらいかかるか不安だし・・・。

というわけで、とうとう最後は諦めた。もう10年若かったらチャレンジするんだけどなあ~。

結局、落札日(20日)の翌朝、パソコンを開けてみたら落札額は「153000円」だった。

思わず「ウ~ン!」と、絶句した(笑)。

 

 


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