秋もだんだん深まり、過ごしやすい気候になると心身ともに快調で物事への熱中度も一段と深まるようだ。
日替わりメニューのようにくるくる変わる我が家のオーディオシステムだが、このところさらに加速気味(笑)。
主な変化をあげてみると次の4つに集約できる。
1 フルレンジ方式の「AXIOM80」に取り付けたウッドホーン
2 2ウェイシステムの「500ヘルツ以上」を受け持つ裸のAXIOM80に取り付けたウッドホーン
3 同じく2ウェイシステムの「500ヘルツ以下」を受け持つJBLの「D130」を駆動するアンプにTRアンプを使用
4 フィリップスのユニット(口径30センチ)に取り付けたウッドホーン
こうやって整理してみるとスピーカー周りの工作が大半だ。
「悦に入る」とはこのことだが、ほんとに以前と比べて音が良くなったんだろうか・・・。
オーディオは自己満足の世界なので自分さえ気に入った音であればそれで十分なのだが、やはりそれだけでは進歩が止まってしまうようにも思う。折に触れ他人の耳も拝借したいところだ。
そこで、先日ご意見番としてこれまで「我が家のサウンドの推移」をつぶさに熟知されているオーディオ仲間のYさんに来ていただいて、ご感想を伺うことにした。
まず1から。
「これまでとガラッと変わりましたよ。より自然で肩の力がすっかり抜けておおらかな音になりました。こんなに良くなるところをみると80の場合はバッフルへのネジ止めはしないほうがいいですね。この鳴らし方は特許ものだと思いますよ。」
「特許なんて大げさな~(笑)。しかし自分でもその効果にびっくりしてますよ。」
そういえば、先日これに関してメル友の「I」さん(東海地方)から次のようなメール(抜粋)をいただいた。
「ショートホーン付きAXIOM80! 音が9合目まで来たということは大変なことですね。更に、デザインが凄い! アヴァンギャルドです。」
おっと、「アヴァンギャルドってどういう意味だったかな?」とググってみると、先進的、革新的という意味のようだ。たしかに、これまでこういうデザインはまったく見たことがない。
けっして「奇を衒う」わけではないが、「木製の植木鉢をホーン代わりにしてSPユニットを納める」なんてことを試みるのは、何だかパイオニアになった気分で実に楽しい。それにこの方式はAXIOM80以外のどのユニットにも適用できるのが面白い。
次に2と3について
「AXIOM80にホーンを付けた効果が出てますね。500ヘルツ以上しか受け持っていないのに80が大型システムになって鳴っているみたいです。この鳴らし方はまったく理想的です。それに低音域はTRアンプで駆動されていますが、何ら違和感がありませんよ。まったく信じられないような低音が出ますね。」
以上、ここまではいいことづくめだったが、最後に4について。
「この音は私にはピンときませんね。ちょっと低音不足ではありませんか。我が家のセカンドシステムでは口径10センチのユニットでもっと凄い低音が出てますよ。」
この音で低音不足とはこれいかに(笑)~。
翌日になって、いそいそと(Yさんが)運営されている「センター」のセカンド・システム(お客様控室)を聴きに伺った。
フォステクスの口径10センチのユニットをとても入り組んだバックロードホーンの箱に入れて駆動されている。アンプは真空管「6550プッシュプル」。
初めにジャズを聴かせていただいたが、こんなに小さなユニットからこんなに凄い低音が出るのかとびっくり仰天。おそらく30ヘルツあたりまでは十分出ているだろう。
たしかにこういう音を毎日聴かれていたら、我が家の低音に物足りなさを覚えられるのは当然のことだと心から納得した。
ただし、低音はもの凄いんだけど、ボーカルや弦楽器などいろいろ聴かせていただくと、ウ~ン・・・。
特定のソースには抜群の表現力を示すがそれ以外となると「?」のようで、いわゆる「一発屋」かな(笑)。
それにしても、Yさんはこういう音がお好みだったのか!
まさに「百聞は一聴に如かず」だった。
「人生いろいろ」だけどオーディオも「百者百様」だ。音楽の好みも違えば音質の好みも一致することはまずありえないが、それにしてもこの音は我が家とはまったく「水と油」だった。
もちろん正解のない世界だからどちらがいいとも悪いとも言えないが、Yさんの我が家のシステムに対するいつもの「的確極まりないご指摘」はいったいどういうことなんだろう。
音の好みが違えば違うほど他家の音のアラが余計に目立つのだろうか。
不思議~(笑)。