「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

真夏の「トラブル」二題

2017年08月10日 | オーディオ談義

オーディオ機器を使っているとトラブルは付き物だが、真夏のトラブルともなるとついカッカしてしまい、ひときわ暑苦しく感じる(笑)。今回はつい最近起こった身近な体験を二件記してみよう。

☆ 真空管アンプ「171シングル」からノイズ発生

          

「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という形容がピッタリな「171」(トリタン・フィラメント)アンプだが、我が家のアンプ群の中では「無色透明の素直な音質」という面から羅針盤のような役割を果たしてくれており、迷ったときはいつもこのアンプに戻っていく。

そういう意味で我が家には欠かせないアンプだが、つい4日程前にスイッチオンしたところ左チャンネルから「ジャリ、ジャリ、ジャリ」と連続的にノイズが発生する。最初はどうせいつものように真空管の故障だろうと甘くみた。

ちなみに「171」真空管は古典管として1930年代の製造の極めて古い球なので当たりハズレが多くて、これまで手に入れた内、無事生き延びる確率は1/2ぐらいと、極めて投資効率は悪いがその一方で音質ともなると、ふつうの「71A」よりも次元が違うのでそれ以上のメリットを感じている。

まず左右の「171」を入れ替えたところ相変わらず左チャンネルからノイズが発生する。出力管が正常なら今度は電圧増幅管だろうとこれまた左右入れ替えてみたが、左チャンネルからのノイズが止まない。

ようやく、「これは容易ならざる故障だ」と、身構えた。

とても素人の手に負えそうにないので、数多くの修羅場を経験している「Kさん」宅(大分市)へと、ご了解のもとに持ち込んだ。

具体的に症状を述べた後で、スイッチオンの状態で真空管を挿したままアンプをひっくり返して裏側から点検。真空管が潰れやしないかとヒヤヒヤだがそこは手慣れたKさん、しっかり足場を組んでからの措置だった。

ボリューム、コンデンサー、抵抗などを外してつぶさに点検してもらったが、すべて異常なし。1時間ほど経過してから「これはインターステージトランスの故障のようですよ。」と原因の特定に至った。

まったく予想外の故障箇所に思わず絶句した。

しばらくして「アメリカの有名ブランドのトランスを使っているんですがねえ~」と、申し上げたところ「当時のトランスは内部の絶縁材料がイマイチで結構トラブルが多いようですよ。再度確認しますのでしばらく預からせてください。」

そして待つこと三日。

「良くなりましたよ~。」「あ、ッそうですか。すぐに取りに行きます。」

具体的に修繕内容を伺ってみると「やはりトランスの故障でした。知り合いから調達した代わりのトランス(新品)と入れ替えたところすっかり良くなりました。このトランスはとても評判が良くてお客さんたちから喜ばれています。故障したトランスに比べてお値段は落ちますが音質はそれ以上だと思いますよ。」

「そうですか。いやあ、助かりました。帰ってからさっそく試聴してみます。修理代の方はいかほどに・・・」

そこは仲間同士ということで「阿吽の呼吸」、信じられないほどのお値段に超ラッキー(笑)。

故障したトランスも同時に引き取って、クルマで20分ほどの距離を飛ぶようにすっ飛ばして我が家に到着。

すぐに結線して試聴してみたところ、新しいインターステージトランスの威力が存分に発揮されているようで、何から何までグッド、とてもお値段からして信じられない。

幸い、もう1台同型の「71Aアンプ」(インターステージトランス無し)を持っているので、「柳の下の二匹目のどじょう」を狙って再度このトランスを挿入してもらおうかと目下思案中。

なお、このアンプの前段管だがいろいろ試した挙句、落ち着いたのが英国マツダの「AC/HL」(メタルコーティング)だった。WE300Bアンプではイマイチで「MH4」(メッシュプレート)の後塵を拝したが、このアンプでは申し分ない出来栄えで「相性」というのはほんとうに無視できない。

さて、次のトラブルは次のとおり。

☆ 音が出ない!

            

それは昨日(9日)のことだった。

早朝のこと、JBL「D130」(イン・ウェストミンスター)を聴こうと思ってスイッチオンしたところ音が出ない!昨日までは何ら異常がなかったのにと、キツネにつつまれたような気分である。サッパリわけが分からん・・・。

おかしいなあと、首をひねりながらピンコードやSPケーブルを仔細に点検するも異常なし。

ウ~ン、参った。

昨日までと変わった点といえば、プリアンプの2系統の出力にそれぞれチャンデバを接続したことくらい。

元々それほどアタマの回転が速い方ではないが(笑)、しばらくしてようやく思い当たる節が一つ浮かんだ。

プリアンプに接続した二つのチャンデバがこの上なく重たい負荷インピーダンスになった可能性がある。

ちなみに、これら二つのチャンデバ(AとB)に繋いだパワーアンプは次のとおり。

A → 低域用「71Aプッシュプル」、高音域用「PX25シングル」

B → 低域用「WE300Bシングル」、高音域用「171シングル」

つまりプリアンプ1台に4台のパワーアンプを繋いだことになる。これって、まさしく過重労働には違いない。やはり我が家でも「働き方改革」を進めた方が良さそうだ(笑)。

そこで解決策として「プリアンプ」を2台活用することにした。テレビからのコード接続と、DAコンバーターからのコード接続をそれぞれ振り分けた。

これなら大丈夫だろうとスイッチオンしたところ無事音が出た。心なしか低音域の重量感が増したようで、プリアンプの過重労働の呪縛から解放されたせいだろう。プリアンプだって扶養家族が減って大喜びに違いない。

つくづくプリアンプの2系統出力の活用は要注意だと深~く脳裡に刻み込んだ次第。

以上、不運にも二つのトラブルに見舞われたが、両者とも対策を講じた結果以前にも増して音が良くなったので、我が家における「ピンチはチャンス」のジンクスはしっかりと生きていたことになる(笑)。
 


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