「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

一枚の名刺

2017年08月05日 | 独り言

現在、手元に長年保管してきた「一枚の名刺」がある。

               

「齋藤 健」氏。

ピ~ンときた方は「政界通」間違いなし(笑)。このたびの(8月3日)内閣改造で、わずか当選3回で農林水産大臣に就任された「齋藤 健」氏(58歳)の若き日の名刺である。

なぜこんな名刺が自分のような地方在住の「一介の市井の徒」の手元にあるのか、まあ、聞いてほしい(笑)。

話は13年前の現役時代に遡る。当時は「職員の研修」業務に当たっていた。平たく言えば、有名講師を招聘し職員にタメになる話を聞かせて啓発しようという仕事である。

どういう講師を選定するかで研修効果がガラリと変わるので、人選にはいつも苦労していたが、当時の上司が「経済産業省」のOB(次官)だったこともあり、優秀な後輩が居るからとのことでご指名があったのが「齋藤」氏だった。

当日、「どうかよろしくお願いします」と講師控室で名刺交換をして雑談したことを昨日のことのように覚えている。

そして、100名ほどの幹部職員を前にした2時間ほどの講演内容がとても素晴らしかった。内容をかいつまむとこうだった。

『「
失敗の本質」という本があります。日本軍がなぜ戦争に負けたのか、その原因を追究した本ですが大いに感銘を受け著者の野中郁次朗先生とも連絡を取り合ってその謦咳に接しました。

敗因はいくつもあるわけですが、その一つに日本海軍の「船から航空機への転換」の遅れが指摘されています。当時はまだ「戦艦大和」のような大艦巨砲主義の名残が色濃く残っていて、すでに戦略的には航空機の時代が来ていることは海軍上層部も分かっていたものの、どうしてもドラスティックに転換することがためらわれていました。

なぜなら「月月火水木金金」と猛訓練を重ねる水兵たちに「君たちの役割はもう終わった」とはどうしても言うには忍びなかったこと、また、航空機の時代が到来すると水兵たちの居場所をどこにも求めようがなかったことが挙げられています。

いったい「国家の存亡」と「水兵たちの失業問題」とどちらが大切なんだと、今となっては自明の理ですが、当時の海軍の上層部には大局的な判断が出来なかった。

日本人は組織を作るのは上手ですが、運営していくのは下手です。どうしても縦割り主義となって組織自体を護っていく方へと視点が移っていくので、大所高所からの司令塔が是非必要です。」

チョット舌足らずだが、以上のような趣旨だった。

とてもいい内容だったので幹部職員だけでは勿体ないと、すべて「テープ起こし」をして文章に直し、ご本人に一度見てもらって御了解を得たうえで「全職員に回覧」の措置を講じたものだったが、とにかく天下国家を論ずるスーパーエリートの熱っぽい話に圧倒され、こういう方が政治家になったら日本も安心なんだがと思ったことをよく覚えている。

「この方は只者ではない、きっと将来名を成す方だから名刺を大切に保管しておこう。」というわけで、これが冒頭に述べた「一枚の名刺」が意図的に残された経緯である(笑)。

その後、斎藤氏の進路をずっと注視してきたが、40代半ばで「埼玉県副知事」へ転身され、千葉7区から衆議院選挙に出馬されて、初回は落選、以後連続3回当選、その間、自民党の農林部会長、農林水産省副大臣、そして今回の大臣就任へと異例の大抜擢だった。

自分の予感は見事に当たったと、内心悦に入っているところ(笑)。

それにしても安倍首相の人を見る目というのは、「稲田」にしろ「丸川」にしろ、サッパリだなあと思っていたが、今回の齋藤氏で少し見直した。

あの小泉進次郎氏がこの度のテレビ出演で「当選3回の同期の齋藤さんが大臣になったのがとてもうれしい」と、爽やかな笑顔で語っていたが、大の仲良しらしい。

これからの齋藤大臣のご活躍が見物である。きっと国家的な見地から農林水産業の在り方を誘導されていくに違いない。これからの国会での答弁もあの独特の歯切れの良さが味わえるとなるととても楽しみだ。

最後に、斎藤氏はご自身のホームページに、政策の理念を次のように記しています。

巨額だった財政赤字も着実に減少に向かい、バラマキ的な予算は姿を消し、筋肉質な歳出構造の下で皆が知恵を絞

り、消費税は15%となってはいるが、将来が見通せる安定的な年金制度となって、自己責任の下で各自が自らの将来

に備え、大いなる規制緩和の下で、各自が生まれ持つ力を最大限発揮して経済・芸術・文化・スポーツの世界で自己実

現し、道州制の下で道州間競争が活発化して行政がスリム化し、地域社会は、コンパクトシティの下で、効率的でエコ

で温かい街となり、人々が、思い思いのNPOに参加しながら社会貢献し、企業は、世界最強の技術を持ち、国際的な

全面展開をしながらも雇用と収益を国内に確保し、中央政府は、外交、治安、医療・介護など全国ベースの社会保障制

度の運営などに、優秀な国家官僚がスマートな行政を展開し、憲法が改正されて、自分の国は自分で守るという自主

独立の気風が国民全体にあふれ、教育水準は再び世界最高水準で、食料自給率は7割を達成し、国政を担う政治家

がクレバーで、なおかつ、ノーブレスオブリージュの気概を持つ。
こういう国に私は住みたい。」

まったく同感です!(笑)

 


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