「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

WE300B 刻印 新品元箱入2本組

2016年12月18日 | オーディオ談義

              

つい先日のオークションに極めて信頼の置ける出品者(在大阪府:欧米管を取り扱う専門業者さん)から、出品されていたのが表題の「WE300B 刻印」(画像)。言わずと知れた「天下の銘管」である。

オークションの解説文を引用させてもらうと、

「WE ウエスタンエレクトリックの直熱3極出力管WE300Bです。 言うまでもなくWEの代表的銘球で、出品していますのはWE300Bでも最初期の刻印ベースのものです。

どちらも新品元箱入りで、WE300B刻印の未使用品は現在では入手困難になっていると思います。 1940年頃の製品。プレート上部側面の3枚のマイカ板が長い長方形になっている点やプレート下部のマイカ板の中央部だけに白いマグネシアを塗布してある点(劣化の進行を防ぐため)など刻印時代の特徴が見られます。 どちらも大型のO型ゲッタリングのものです。

内1本で(右側)、プレート上部マイカ板3枚の内、1枚がありません。 管内に落ちていることも無いので、製造過程からのものです。 なお、他の2枚とプレート上部マイカ板の端部とでプレートはしっかり保持されていますので、強度的にも問題は有りません。

また、厳重なWEの品質検査をくぐり抜けて世に出て来ているので、ある意味貴重なサンプルといえると思います(最後の画像参照)。

どちらも新品元箱入りで(元箱には部分的にシミやいたみが見られます)、今回出品のため測定しただけです(足ピンもぴかぴかの状態で、WEオリジナルのデーターシートも残っています)。 特性はTV7/Uにより確認済みです。 測定値は基準値58に対し75、77となっています。入札価格は2本セットの価格です。 よろしくお願いします。」

以上のとおりだが、この出品者さんはたしか3年前ぐらいにも「WE300B 刻印ペア」を出品していた記憶がある。それに奇しくも同じ12月の出品時期なので、金回りが良くなる「ボーナス時期」を当て込んでの出品かとつい思いたくなる。

はたまた、うがった見方をすると「大金が動く師走なので金銭感覚が麻痺することを当て込んでの出品か」とも邪推したくなる(笑)。

それほどの「高額商品」と言いたいわけだが、そのときの落札額は「99万円」で、落札者の方も存じ上げており、古典管のコレクターとしてとても著名な方である。「貴重な文化遺産を〇〇系に渡したくなかったのが動機の一つです。」とお伺いしている。

さて、今回の「WE300B刻印」はどのくらいのお値段が付くのだろうかと興味津々で高みの見物ときた。欲しいことは欲しいが、ビンボー人が簡単に手を出せるような代物ではないし、しかも自国の通貨価値に不安を持つ〇〇系の成金さんたちが換金手段として利用しようと暗躍するだろうから派手なお値段になるのは必至だ。

落札時刻が刻々と迫る中、数時間前までずっと入札額が50万円程度で推移していたものが、案の定というか落札時刻直前になってお値段がポンと跳ね上がって落札価格は「912千円」。

やっぱり、落ち着くところに落ち着いたようで(笑)。

ただし、その価格に見合った音を出そうとなるともう大変~。非常にクセのある球として鳴らしづらいことでも有名である。

裏技を使った独特の回路の採用、使用するハンダや配線材の選別、マッチングのいいトランスの選択など、これらを上手に組み合わせるのはとても難しく「日本国内でそういう技術を持っている人はごく少人数に限られます。」とは、名人の域に達したアンプビルダーさんの談である。

したがって、うかつに手を出すと大火傷して後遺症がずっと尾を引く球である。

実は、「WE300B」を5本も持っていながら「もがき苦しんでいる」自分がそうなのだから、これは間違いなし(笑)。
 


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