「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

読書の秋~二冊~

2016年11月13日 | 読書コーナー

今年は9月あたりから大好きな「海釣り」に行こうと張り切っていたのだが、台風や多雨のせいで延々と天候不順が続き、とうとう釣りシーズンを棒にふってしまった。

あと、やることといえば
「音楽&オーディオ」と「読書」の二つしかない(笑)。

     

いつものように音楽を聴く片手間に図書館から借りてきた本を読みふけっているが、とても面白かった本を2冊紹介。

まず「空飛ぶタイヤ」から。

例の「半沢直樹」シリーズでお馴染みの「池井戸 潤」さんの作品だが、この人の本はどうしていつもこう熱いんだろうと、思わせるほど主人公の活躍が半端ではない。打算的な人間たちを相手に不運のどん底から這い上がるファイトぶりにはいつも感心するが、こういう人物像を作り上げる才能には頭が下がるし、最後にはその努力がしっかりと報われ、「強きをくじき弱きを助ける」のだからまことに胸がスカッとする。

まずはあらすじを紹介しておこう。

「父親の後を継ぎ運送会社を経営する赤松徳郎は、ある日、自社のトラックがタイヤ脱落事故を起こし、死傷者を出してしまったことを知る。事故原因を一方的に整備不良とされ、「容疑者」と決め付けられた赤松は警察からの執拗な追及を受ける。さらには会社も信用を失い、倒産寸前の状態に追い込まれてしまう。 

しかし赤松は、事故原因は整備不良ではなく、事故を起こした車両自体に欠陥があったのではないかと考える。自社の無実を信じる赤松は家族や社員たちのために、トラックの販売元である巨大企業の自動車会社に潜む闇に戦いを挑む。」

以上のとおりだが「中小企業 VS 大企業」とくれば、後年直木賞を受賞し、昨年テレビドラマ化されて大好評を博した「下町ロケット」と同じパターンである。

また、このところブログで話題沸騰(?)のテレビ用の真空管を使った軽量級アンプ「6FD7アンプ」 VS 「重量級アンプ」と同じ構図ともいえる(笑)。

とにかく、まだお読みでない方は期待を裏切られることがないので是非~。

なお、次のような読者レヴューを紹介しておこう。

「ワンパターンといえばワンパターンなのですが、読ませる読ませる。日常生活をちゃっちゃと済ませ、没頭したくなるくらい面白かった。かの自動車メーカーは、燃費データ不正発覚後の再検査でも、まだ懲りずに不正してたとか! 」

 結末は分ってるんです。でも、このまま運送会社が潰れてしまうんじゃないかなとイライラしながら最後はほんとスカッとさしてくれますよね。いやな人の描き方が見事なんでしょうね。非協力的な態度で侮蔑の言葉をぶつけられる赤松にほんと頑張れと応援しながら読んじゃいました。三菱ふそうトラックのリコール隠しの実話を基にしているみたいですが、事故を起こした会社は自動車会社が証拠を隠されたら、確かに犯人になってしまいますよね。自分にも降りかかるかも知れないと思うと怖いですね。とっても面白かったです!」

次の本は「ラプラスの魔女」。

近代ミステリーの雄「東野圭吾」さんの作品とくれば面白くないはずがない。ただし、今回の作品はいつもと傾向が違っていてオカルト風だった。

本の裏帯には「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。そしたらこんな作品ができました。東野圭吾談。~価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮。作家デビュー30年、80作品の到達点~。」と、ある。

たしかにこれまでの東野作品と比べて異質だったが相変わらず一気読みだった。あらすじはこうである。

「著名な資産家の映像プロデューサー水城義郎が、旅行先の温泉地で死亡した。 

死因は、火山で発生する硫化水素ガスによる中毒死であり、硫化水素ガスが発生した時にその場所に偶然居合わせたための事故死と判断された。 

だが、水城義郎の母だけは息子の妻の関与を疑っていた。「生命保険など必要ない」と言っていた息子が、死の直前に多額の生命保険に加入し、その受取人が妻になっていたからだ。 

しかし、現場を調べた環境科学者の青江が「この事故を故意に起こすことは不可能だ。」と結論づけたことにより、不運な事故死として処理されることになった。 

しばらくして、別の温泉地で硫化水素ガスによる中毒死で亡くなった男性が発見された。環境科学者の青江はこの温泉地にも調査のために訪れることになったが、これも事故死と断定した。 

両方とも不運な事故死と結論づけた青江ではあったが、どうしても気になることがあった。前回の事故現場で見かけた少女を、今回の事故現場でも見かけたからであった。彼女の存在は、「これは事故死ではないのかもしれない」と青江に疑念を抱かせることとなった。 

その疑念をはらすべく、その少女を追いかける青江。やがて青江は、常識では考えられないような能力をその少女から見せられることとなる・・・・。」

ここから先もストーリーが二転三転するが、本書には確たる主人公がいないため物語の視点がクルクル変わるので「あらすじ」がとても要約しずらい。

オーソドックスなミステリーを期待する人は読まない方がいいかもしれない。

最後に読者レヴューを紹介しておこう。


「超常現象による殺人を解明していく東野さんお得意の化学ミステリー。 この事故に見せかけた殺人を計画したのは、一度は植物状態に陥った少年。彼は、脳に電極を入れることで、更なる進化を遂げる。そして、予測する力をえる。更に、この手術をした医者の娘も同様の手術を施されて予測の力を得る。さらりとしてくどい言い回しもなく、感情表現や、人物像に翻弄されず、ただ淡々と読み進んだ。こんな非現実的な話しあるはずもなく、と思いながらも、東野ワールドに引きずり込まれ、すらすらと読了しました。」
 


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