「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

マッケラス指揮の魔笛

2015年08月06日 | 音楽談義

前回のブログでオペラ「魔笛」(モーツァルト)について触れておいたところ、秋田県のメル友Sさんから次のようなメールが届いた。

「魔笛ですか…ベ-ム、ディビスにマッケラス(笑)ではだめでしょうか、アバドは何でも振れますが それだけに魔笛が特にとはね…。ヤナ-チェクとプロコには輝るところ感じてました。ベルリンは監督選ぶ度につまらなくなり鼻持ちならない我が儘なオケです。」

さすがにSさんは現役のオケの指揮者兼クラリネット奏者だけあって、いつものように音楽通独特の鋭い突っ込み(笑)。

そうですか、マッケラスねえ・・・。「サー・チャールズ・マッケラス」はヤナーチェクの専門家としてその筋では有名な指揮者である。

丁度いい機会とばかり一度聴いたきりで直し込んでいた「マッケラス」の魔笛(2枚組)を聴いてみることにした。Sさんのメールがなければおそらく二度と聴くことがなかったCDである。

            

2時間半に及ぶオペラをじっくり聴かせてもらったが、奇を衒うことがなく、大袈裟になることもなく正面から向き合った正攻法の魔笛と言ったらいいのだろうか。淡々とした運びで、全体的にうまくまとめてあり5人の主要な歌手たちも粒がそろっていてこれはこれで立派な魔笛。広大なホールで録音したと見えて、残響音が心地よくて音質もすこぶるいい。

ただし、オケが「スコットランド室内管弦楽団」ということからも想像できるように、何とも“こじんまり”としていて、この辺は好き嫌いが分かれるところだろう。ただし作曲当時(1791年)はもっと小規模のオケだったろうから原典に忠実と言えないこともない。

思わぬ収穫は一緒にセット販売されていたので購入せざるを得なかった「LA FINTA SEMPLICE」(3枚組:KV51)も続けて聴いたこと。作品番号「KV」が51ということは、モーツァルトが10代前半に作曲したオペラということになる。

このオペラについては知識が皆無なので「モーツァルト KV51」でググってみると、邦題は「見てくれの馬鹿娘」。

思わず笑ってしまった。恰好ばかり気にして頭が空っぽの娘を題材にしたオペラなのだろうが、いかにもモーツァルトらしい天真爛漫なタイトル。

モーツァルトは手紙魔だったので現在でも膨大な書簡が残されているが、「ウンコとかオナラ」とかいう言葉を平気で使うし、妻あてに「旅行から帰るのでアソコをよく洗って待っておくように」といった内容もあって、あの自ら作った高貴な音楽と対比させ、その高低差に悦に入っていた気配がある。

さて、この「見てくれの馬鹿娘」だがまさに「栴檀は双葉より芳し」。幼少のころからその才能は並みはずれていることが分かる。思わずハッとするような美しいメロディがいくつもあって晩年のオペラに相通じるものがある。モーツァルト・ファンなら是非一度聴かれることをお薦めする。

さて、今回試聴に使ったシステムはフィリップスのスピーカー。奇しくも前述したSさんがその昔、使っておられたSPユニットとのことで、中高音域の独特の音づくりが気に入るかどうかの分かれ目と仰っていたがほんとうにそのとおり。少しキンキン気味かなあ~。

これまでの経験上、中高音域の不足気味はどうしようもないが出過ぎの場合は何とかなるものだ。

2週間ほど聴いてきたがその辺がちょっと気になってきたので対策を講じることにした。貧乏人なので先ず100円ショップへ出掛けてみた。サランネットにさらにカバーを被せて中高音域の音をマスクしようという算段である。

           

目の詰まった細かい穴が持ち味の「滑り止めマット」を2枚買ってサランネットの裏に張り付けることにした。両面テープ代と併せて、〆て324円なり(笑)。

                   

これでボリュームを上げてもうるさく鳴らなくなったし、低音域の量感も適度に増えていいことづくめ~。このスピーカーは箱代が3万円、ユニット代が4万円、〆て7万円ちょっとだが、そのお値段からは信じられないほどの音がする(笑)。

ウェストミンスターに入れたグッドマンの「AXIOM301」、グッドマンの箱に容れた「フィリップス」(口径30センチのダブルコーン)、そしてグッドマンの「AXIOM80」と、我が家のシステムはすべてグッドマン無しでは成り立たないが、これらの音を是非聴いてみたいと、本日(6日)、福岡在住のKさんがお見えになるがはたしてどういうご感想を洩らされるだろうか。
 


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