1931年9月18日、満州事変から90年。
日本軍による満州鉄道の爆破(線路は無傷)を中国側の攻撃だと偽って、満州を占領していった。
日本国内では国民への右翼テロと特高の弾圧が猛威をふるっていた時期だ。
宮本百合子作品に「1932年の春」がある。
地方の小さな文学サークルに出席する宮本百合子、そのもとに文学仲間が次から次へと逮捕された知らせが入る。
そして百合子自身も逮捕され牢獄へ。
そして、5・15事件。
翌年の1933年2月には、小林多喜二が逮捕され、翌日には虐殺されてしまった。
特高警察と右翼テロが跋扈(ばっこ)し、言論の自由はほぼ無くなっていった時代だ。
1945年の敗戦まで、どれほど多くの人の命が失われていったか。
戦後76年。
自民・公明政権は、同じ轍を踏もうとしている。
安倍・菅政権の9年は、アメリカとともに「戦争に参加できる日本」づくりがいっきに進んだ。
秘密保護法、安保法制、共謀罪、そして土地利用規制法と、世界のなかでアメリカ軍と一緒に戦争できる準備が着々とすすんできた。
いま現在の自民党総裁選挙。それぞれの立候補者は「敵基地攻撃能力」を持つことに熱心だ。そのゴールは憲法9条改正だ。
戦後否定された特高警察の流れが一層強化されている。
そしてテレビを中心に官邸情報を垂れ流し、このままでは自民党の総裁選報道にテレビジャックとなりそうだ。
そこには自民党の枠ではなく、安倍・菅の極右路線の「枠」から出ようとしない。
アメリカの要請に応じた「軍拡には軍拡で」の対応ばかりだ。
今年亡くなられた歴史研究家の半藤一利氏をはじめとして、「戦前の日本にどんどん似てきている」と警告とともに、多くの国民から不安もだされている。
コップのなかでの自民党の総裁選という権力争い。それも汚れたコップだ。
だからこそ、コップそのものを取り替えるしかない。
市民と野党共闘、「野党連合政権」という新しいコップを。