14日間にわたる不破哲三氏の「『資本論』
刊行150年に寄せて」の連載が終了した。
中身の濃い連載であった。各章の表題は、
序
1、「資本主義」
―マルクスの命名が世界語になった
Ⅰ 現代に光るマルクスの資本主義批判
2、祭りが終わってから
3、結集して「社会的バリケード」を
4、恐慌の秘密を解く
5、搾取と支配が社会全域に
Ⅱ 資本主義は人類史の過渡的一段階
6、物質的生産力の高度な発展
7、「世界市場」の形成
8、自由と民主主義の旗
Ⅲ マルクスの未来社会論
9、未来社会論をめぐるレーニンの誤解
をただす
10、輝かしい未来像―人類社会の「本史」
11、過渡期の研究
12、「社会主義をめざす国」をどうみるか
Ⅳ 革命家マルクスの決断
13、反共攻撃には一大打撃を
14、国際運動に本気にとりくむ
運動への参加が「資本論」完成の力に
不破氏は、マルクスの目でマルクスの時代を
見ることを重視し、またその目で現代の資本
主義を見ることを強調している。
我々はどうしても「一言一句」を引き合いに
現代社会をとらえる傾向があり、ましてや旧
ソ連や中国の遅れた民主主義を意図的に歪め
ての報道があまりにも多いなかで暮らしてい
る。
社会主義、共産主義本来の姿の、真逆の「紋
切型」があまりにも多い。共産主義=全体主
義、恐怖の監視・弾圧社会など、笑ってしま
う描写が多い。
恐怖の監視・弾圧社会は、現実に戦前の日本
社会で起きていたことだ。
安倍首相の言う「美しい国」のことだ。
マルクスの時代の19世紀、封建制から資本主
義の黎明・発展時期であり、絶対王政など、
その弾圧のなかで暮らしていた。
その中で、自由と民主主義の旗をかかげてい
たのがマルクスであった。
アメリカ型の「反共主義」が生活の隅々まで
侵食している。
しかし、当のアメリカ自身がグローバル化し
た巨大資本をコントロールできずに、格差の
拡大に苦しんでいる。1%と99%の対比で
ある。
キリスト教の総本山であるバチカンも現代の
資本主義の不正義を告発している。
多くの人たちが、今のままの資本主義社会に
未来を感じていない。
利益至上主義から、人間一人ひとりを大切に
する経済にどう変えられるのか。
模索の時代がはじまっている。
その道筋に光をてらしているのが「資本論」
ではないか。