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現象と本質:唯物弁証法

2017-08-21 07:38:16 | 日記

オッ! 表題に、突然難しい言葉が出た。

日本の物理学者である坂田晶一氏の「科学
に新しい風を」を先日読んだとブログに書
いたが、この19~20世紀にかけての「物理
学の危機」はおもしろい。

電子は「粒子」であると確定したはずと思
っていたら「波」の現象が現れた。
光は「波」で電磁波だと確定したはずと思
っていたら「粒子」の現象が現れた。

粒子でもあり波でもあるものが、あるはず
がない。おかしい! 誰もがそう思ったの
ではないか。
人間の目や感覚で理解し、いままで物理学
的にも解明されてきたのに、まったく理解
できないものになってしまった。
また「因果律」を否定するものも現れた。

「物質は消えた」、「唯物論は間違い」
など、哲学界も大きく揺れた。

ここから、「実証主義」、「経験主義」、
「マッハ主義」が大きな力を得て、政治の
世界にも反映してきた。

政治の世界に侵入し、ロシア革命に多大な
悪影響を与え始めたため、「唯物論と経験
批判論」を書き上げ、この「経験主義」を
徹底的に批判し、政治方針を立てなおした
のがレーニンであった。

この内容が、当時の「物理学の危機」を見
事に解明していた。
要は哲学の問題であったのだ。

スペイン内戦を描いたスティーブ・ネルソ
ン著の「義勇兵」にも出てくる。

坂田晶一氏は最後の行に、「現象と本質、
部分と全体、偶然と必然などの対立を統一
する弁証法の論理によって、はじめて把握
できるもので、これまでの因果性の問題を
めぐりいろいろな混乱が起きたのは、量子
力学の立体的な構造を平面的な形式論理で
理解しようとしたからであった」と述べて
いる。

今日の赤旗に「学問はおもしろい」のシリ
ーズが掲載され、齊藤正一氏が「利潤の源
=『労働力』を理解したときの喜び」を語
っている。

近代経済学は、労働と労働力を区別しない。
利潤の発生原因を見えなくしてしまう。
そして、なぜ「格差」がこんなに広がって
いるのか。原因は見えない。そこで、「資
本論」の素晴らしさを紹介している。

ここにも、労働という現象面に対して、労
働力という概念で、利潤の本質を解明でき
た「資本論」のすばらしさがあった。

資本論150年のこの年に、ぜひ現象と本質
という哲学的命題に、唯物弁証法に思考を
めぐらせるのは、いかがでしょうか。

社会も現象面だけではさまざまな混乱や混
沌が起きている。
政治の世界では、極右の安倍政権が力を持
っているように見える現象面。
しかし、自由と民主主義を求める人間の本
質は変わらない。