ペットボトルの神様。

縁側の下に
底を切ったペットボトルがあって、
きょう、何となしに覗いたら
なかにひきがえるが居ました。

おはなし。

イギリスの民話とも
トルストイ作ともいわれている
『三びきのくま』を、ひっくり返して
書いてみました。



『いっぴきの小熊』


腹をへらしたこぐまが
山から下りてきた。

人に見つからないように
氣をつけて歩いていたら、
50mほど先の椎の木のある
家からいい匂いがする。

ここには、
おとっつぁんとおっかさん、
ぼうやの三人が住んでいますが
いまは近所で買い物ちゅうです。

こぐまは、車のわきや生垣に隠れながら、
なんとかおうちに辿りつきました。
大すきなシイの実は落ちていませんが、
勝手口からカレーのかおり。




中に入ると、テーブルのうえに
三つのカレーライスが置いてある。
もうお腹ぺこぺこです。
おとっつぁんのカレーライスを混ぜてみたら、
辛くて手がひりひりします。
おっかさんのカレーはすっぱすぎる。
ぼうやのカレーは、だいすきなはちみつ入り！

こぐまは、イスに座って食べることにしました。
おとっつぁんのイスはかたすぎる。
おっかさんのイスはやわらかすぎる。
ぼうやのイスはぴったりです。




はちみつカレーを食べながら、うれしくて
ぎったんばっこんと揺らしていたら、「ばきっ」！
イスの背が折れてしまいました。
それでも、お皿がひかるまで
きれいになめました。
あとは、おっかさんのすっぱいカレーの
ご飯だけ食べました。

こぐまはだいぶ元氣をとり戻し、
となりの部屋を覗いてみると
ベッドが三つ並んでいます。
ちょっと横になってみることにしました。

おとっつぁんのベッドはタバコの臭い。
おっかさんのベッドはバラの香り。
ぼうやのベッドに寝ころんだら
なんだかほっとして、
そのまま眠ってしまいました。

まもなく、家の人たちが
福神漬けを買って戻ってきました。
おとっつぁん「誰だ、俺のカレーを混ぜたのは」
おっかさん「私のカレーのご飯だけ食べたのは誰？」
ぼうや「ぼくのカレーをぜんぶなめちゃったのはだあれ！」

そして、
おとっつぁん「誰だ、俺のイスの向きを変えたのは」
おっかさん「私のイスをひっかいたのは誰？」
ぼうや「ぼくのイスをこわしちゃったのは、だあれ！？」




そのまま隣の部屋へ
おとっつぁん「誰だ、俺の布団をはがしたのは」
おっかさん「私の布団を毛だらけにしたのは誰？」
ぼうや「だれかねてるよ！！！」

こぐまは慌ててはね起き、開いていた窓から
外へ飛び出した。
ぼうや「つかまえて！つかまえて！」

こぐまは、ものすごい速さで
どこかへ逃げていきました。

風呂敷ッ子。

最近は、学校での風呂敷講座が
ふえてきました。
基本的に、小学4年生以上が対象です。
一生つかう技を、2時間で身につけます。

風呂敷そのものを作るのも楽しいので、
家庭科の授業とコラボレーションできたら
なんて考えています。