呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

小説&映画「64(ロクヨン)」~小説編

2016-06-10 | 本の話


元々、横山秀夫の小説は好きで結構読んでいた。
「半落ち」「第三の時効」「クライマーズ ハイ」etc、さすが地方紙の記者をやっていただけあって、警察の裏側の暗部とか事件記者の実態とかの話は迫力があっておもしろい。
「64(ロクヨン)」も、「このミステリーがすごい!」などでも評判高いし、映画の豪華キャスティングも凄いので、先ずは原作を読んでから映画を観ることにした。

で、一気に文庫本上下巻を読み切ろうと、GWに鉛温泉に持ち込んだが、あまりにいいお湯と風呂上がりのビールのお陰で?上巻しか読めなかった。文字もたっぷりで読み応えがあり(要はなかなか読み進まない)、下巻は読みきれなかったのは残念!でもそのあと1週間ぐらいで下巻も読み終わりましたよ!

○小説「64(ロクヨン)」
ということで、文庫本上下巻の原作はなかなか読み応えあり!
警察内部の権力争い、上下関係の厳しさ、不祥事隠蔽保身体質などなど、これでもかと描かれる。そして県警と地元新聞各社との確執、本当にこんなにギクシャク、ギスギスしてるの?と思うほど迫力がある。
わずか数日だった昭和64年に起きた誘拐事件の謎解きというよりは、その事件に絡んだ者たちの人間模様が描かれ、ミステリーとか推理小説とは全く違ったヒューマンドラマだ。
新聞記者たちとのやり取りが大袈裟だったり、第二の誘拐事件があまりにタイミングよく発生したりは、個人的にはちょっと?のところもあり。
また話としてはもう少しコンパクトにまとめてもよかった感が無きにしも非ずだったけど、久しぶりに横山秀夫にドップリ浸かった!という満足感はありました。面白かったです!

映画編もどうぞ!(^^)v
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小説「下町ロケット」

2016-03-15 | 本の話


池井戸潤の「空飛ぶタイヤ」がとっても面白かったので、ドラマを撮り溜めしてまだ観ていない「下町ロケット」の原作に突入した。
うーん、これまた面白い!さすがに直木賞!

☆「下町ロケット」池井戸潤著(小学館文庫)
いやぁ「空飛ぶタイヤ」も痛快で感動作だったけど、「下町ロケット」は輪をかけて感動した。
「空飛ぶタイヤ」はトラックの欠陥で人の命が奪われる話で、財閥系企業の横柄さ、いやらしさが溢れていて、痛快さもありながらなんか後味の悪さも若干感じた。
でも今度はロケットだもの!最後は中小企業が作った部品を超大企業が調達せざるを得なくなり、その大型ロケットが大空に舞い上がるんだもの!痛快そのものだ。
半沢直樹シリーズもそうだけど、一般庶民、中小零細企業に勇気を与えてくれる。
やっぱりいままでにはあまり例のない作家なのかもしれない。
さぁ、録画した「下町ロケット」観るぞ!
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小説「空飛ぶタイヤ」

2016-03-11 | 本の話


☆「空飛ぶタイヤ」池井戸潤著 講談社文庫

あんなに本好きだったのに、ここ数年はほとんど読書をしていないジイさんです。
なのでホントに久しぶりに読んだ小説だったけど、あまりにも面白くて、分厚い文庫本2冊を数日で読んだ。
いやぁ~、面白かった!最高~!

走行中に突然外れた大型トラックの車輪が、歩道を歩いていた親子に激突し、母親が死亡する。
メーカーのホープ自動車は、トラックを所有する運送会社の整備不良を主張。一方で運送会社側は自分たちに過失はなく、原因はホープのトラックの構造上の欠陥と主張し、独自の調査を開始する…。
フィクションと言いながら、実際にあった事故と自動車メーカーのリコール逃れを基にした小説だ。
うーん、日本有数の財閥系企業グループの自動車メーカーの不祥事、グループ内銀行の横柄で自分勝手な論理…、然もありなん!
池井戸潤定番?の、小が大をやり込める小気味良さ、痛快さはさすがです。久しぶりに面白い小説、読んだぁ~!
ん、あれ?この財閥グループって、ウチのグループがモデル?う~~む、まさにまさに然もあ、り、な……ん
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これは使える!「dマガジン」

2015-09-01 | 本の話


最近ラジオなどで宣伝しているドコモのスマホ、タブレット用アプリ「dマガジン」、これはなかなか優れもんだ!
月400円で、150以上の雑誌が読み放題。週刊現代も東洋経済もpenも週刊プレイボーイもベストカーも!
アプリのレビューでは、動かない、止まる、遅いと結構酷評だったけど、中には快適に動き問題なしという声もあった。で、ダウンロードしてみると…、いいじゃない!多少ページを括るのにもどかしいところもあるけど、許容範囲だ。
新聞の広告を見て読んでみたい記事があるものの、いちいち雑誌を買えないし、最近は立読みも面倒、そんなものぐさでミーハーなオヤジには最高!
iPadなら文字も大きめだし、グラビアも綺麗です。もちろん週プレもFrIdayもバッチリです(^^)v

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漫画「ピアノの森」

2015-08-17 | 本の話


今日コンビニでなんとなく雑誌コーナーを眺めていたら…、ん?コミックモーニングの表紙が見慣れた絵で…
オォ~、一ノ瀬カイじゃないかぁ~~!
あれ、ショパンコンクールはどうなったんだっけ?そういえば優勝したとか聞いたけど…
作者の一色まことが2回や3回連載に穴をあけるのはいつものことで、しばらくストップしていたので、いつのまにか忘れていた。やっぱり随分ご無沙汰だったようだ。



ショパンコンクール優勝後のカイはどうなるのか、阿字野とは師弟関係解消?阿字野とレイコは?いろいろ興味深い。
最終章は最後まで毎週連載するそうだ。これだけ久しぶりなんだから、ちゃんとラストまで書き上げたのかな?
とにかく来週からコンビニ通いが楽しみです!


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呑む気オヤジの、読む!~「隠蔽捜査」

2013-09-19 | 本の話
隠蔽捜査 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社



♪「隠蔽捜査」今野敏著 新潮文庫 

東大を卒業しキャリア組として警察官僚となった竜崎。警察庁長官官房総務課長で警視長という超エリートだ。
キャリア組のエリート警察官僚は、国家のため、国民のため、そして警察のためにプライベートを犠牲にしても身を粉にして働くべしというポリシーの持ち主だ。だから家のこと、子供の教育などは妻に任せっ放し、ゆっくり子供と話したこともない。
そんなある意味「変人」の官僚なので、警察官が連続殺人を犯した時に、周りの上司や同僚の、組織を守るための揉み消し工作を見逃せない。あくまでも司法の手に委ね、正規の処罰を行うべしとして、上司と戦う…。

う~ん、面白いねー。最初のうちはなんか嫌な奴っぽかったが、読み進むにつれ武骨に警察官僚としての矜持を保つ姿勢にだんだん共感を覚えるようになった。最後のほうは愛すべき奴じゃないかと応援したくなった。
警察小説といえば、最近は横山秀夫を思い浮かべるが、今野敏の世界もなかなか良い。
お勧めです!




♪「果断~隠蔽捜査2」今野敏 新潮文庫

第一作で、息子の不祥事が発覚し、警察庁幹部から所轄の大森署長に降格された竜崎。所轄の警察署でも変人ぶりを発揮し、独自の価値観で自ら所轄警察の指揮を執る。
管轄地域内で強盗の立て篭もり事件が発生し、SITやSATが活躍し犯人を射殺し人質を無事救出する。しかし犯人の所持していた拳銃には銃弾が残っておらず、現場の指揮をしていた竜崎の犯人射殺の判断の可否が問われる…。
いかにもミステリーっぽいどんでん返しと、常に冷静沈着な竜崎の態度(実はそれが変人の片鱗)が面白い。
竜崎警視長シリーズは、現在5話まで続いているらしい。この前、第3作目の「疑心」を入手し、読み始めた。
相変わらず面白うそうだ。読み終わったら、ご報告します。



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呑む気オヤジの、読む!~「虹色にランドスケープ」

2013-06-26 | 本の話
虹色にランドスケープ (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋



♪「虹色にランドスケープ」熊谷達也著 文春文庫

7つの話が集まる短編連作集。それぞれの話に1970~80年代のビンテージバイクが登場する。
各話の脇役が次の話では主人公となり、そしてそれぞれの登場人物がバイクとともに絡み合う、ちょっと切ない物語。いや中年のオヤジには相当胸キュンの切なさだ。バイクを中心に登場人物が輪になって、まさにチェーンでつながっていることが分かる。
若い頃バイクで繋がり合っていた男女、今は中年の域に達し、それぞれの人生を歩んでいる。でもふとしたことから再会したり、その子供たちが絡んだり…。いやぁー、とても良い話です。面白い!でも切ないなぁー。

この本を読んでいて、無性にバイクに乗りたくなった。登場人物がみんな、とても気持ちよさそうにバイクを駆る。人馬一体、人とマシンの一体感、これらは残念ながら四輪では、なかなか味わえないのかもしれない。
そして登場するマシンが、なんといっても今やビンテージ物のバイクばかりだ。カワサキZR、ホンダCB750、ヤマハRZ250、スズキ・カタナ、etc。僕はそんなにバイクについて詳しくないが、それでも知っている、聞いたことがあるバイクばかり。
今の若者は分からないが、僕らの年代の男なら、まずはバイクに興味を持ったものだ。実はつい数年前まで、中型~大型のバイク免許を取るつもりでいた。でもなかなかタイミングが合わず、それにいつバイクを買って乗るんだい?ということもあり、最近では、その熱い思いを忘れていた。
今から免許取ってバイクに乗れるかなー。取り敢えずは中型だよなー!究極的にはハーレーのローライダーに乗りたいなぁ。

頑張って60歳までに痩せよう。その時はマツダロードスターの2シーターオープン6MTを買おうと思っていたが、それまでに免許を取得して、中・大型バイクにも挑戦したい。



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呑む気オヤジの、読む!~「藁の楯」

2013-05-20 | 本の話
藁の楯 (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社


♪「藁の楯」木内一裕著 講談社文庫

幼い少女の連続惨殺殺人犯清丸。二人目の犠牲者の祖父であり、日本でも指折りの資産家蜷川は、逃走中の清丸に10億円の懸賞金を掛けた。その条件は、清丸を殺害すること。
あらゆる日本人が10億円に目が眩み、清丸を狙い始めた。匿ってくれた知人に殺されそうになった清丸は、身の危険を感じ、福岡県警に自首する。警察庁と警視庁は威信をかけて清丸の東京への護送を、SPと捜査一課の刑事たちに命ずる

斯して、福岡から東京までの大護送作戦がスタートした。金に目が眩んだ一般市民はまだ大したことはない。しかし目が眩んだ訓練されて武装した警察官、機動隊員は始末が悪い。SPの銘苅や白岩は、捜査本部の刑事たちと疑心暗鬼の護送を開始する…。
犯人の清丸が、どうしようもなく嫌な奴でまさに人間の屑。その清丸に護送途中でこれでもかと民間人や警察官関係者が襲ってくる。「なんでこんな最低最悪で人間の屑を、自分の命をかけて守らなければならないのか」と自問自答しながら、護送任務にあたる銘苅たち。

殺人犯を殺したら10億円という設定に、最初のうちちょっと違和感があったが、作者の巧みな筆致によりスラスラ読めた。ミステリーなので、あまりストーリーには触れないけれど、犯人清丸の憎々しい態度、それに腹わたが煮えくり返りながらも誤送の任務を全うしようとするSPや刑事。
伏線にある銘苅の亡き妻への思いに、胸が詰まる。久しぶりに遅読オヤジが2日間で読んだ。
ただ、惜しむらくはラスト。なんで蜷川は心変わりしたの?あの一言で?犯人殺害に10億円というシナリオを書いた人物は何者?なんかよく分からなかった。その辺が読後に腹落ちしないのは残念。
作者の木内氏は、「ビーバップハイスクール」を描いた漫画家で、小説はこの作品が処女作とか。うーん、最初だから詰めの甘さは仕方がないか。

~~~~~~~~~~~~~~~
小説が面白かったので、映画「藁の楯」も観た。主役の大沢たかおや松嶋奈々子が良かったね。
映画の話はまた別途!


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呑む気オヤジの、読む!~「阪急電車」

2013-04-15 | 本の話
阪急電車 (幻冬舎文庫)
有川 浩
幻冬舎


♪「阪急電車」有川浩著 幻冬舎文庫

ずいぶん前に、会社の「読書部」メンバーが推薦していた本。小説を読む前に、映画化されたDVDを観てしまい、肝心の原作は読んでいなかった。この前、本屋で見かけて思わず購入。
薄めの文庫本だし、読みやすかったのですぐ読了。映画と同様、なかなかの秀作でありました。

阪急電鉄の宝塚駅と今津駅を結ぶ、所謂ローカル私鉄の「今津線」。そのうちの宝塚駅と西宮北口駅の間の、駅の数にして8駅、乗車時間15分間に起こる人間ドラマを描いた短編集(結局はすべてがつながる)だ。
わずか15分、わずか8駅を走る6両程度の電車の中で、老若男女が偶然にも関わり合い、カップルになったり、励まし合ったり、勇気づけ合ったりする。各話ごとに出会いや関係ができるのだが、物語が続くにつれてそれぞれの人たちが更に微妙に繋がり合う。
この物語の読者は、小説中の登場人物が知らない、気づかない、それぞれの繋がりを天上から俯瞰することで、ハラハラしたり、ドキドキしたり、胸にグッと来たり、ホッとしたり…。
いやぁー、なかなかの人間模様だなぁー。よくできた話だなー。読んでいない方には絶対にお勧めです。

読書部のメンバーの推薦図書なので読んでみようと思っていたが、結局は先に映画(DVD)を観てしまった。以前にご紹介したが、映画もとってもお薦めです。宮本信子、中谷美紀、戸田恵梨香、南果歩、などのベテラン女優陣が際立っていた。映画もどうぞ!

~~~~~~~~~~~~~~~~
読んでいて、ぜひ阪急今津線に乗ってみたくなった。なんか良いよなぁ~。
でも土地勘というか、位置の感覚が全くない。西宮ってどこ?JR大阪駅の近く?宝塚ってどこ?神戸の近く?神戸ってそもそもどういう位置関係??
その辺りが分からなくても、十分に楽しんで観れます。大阪や神戸に行きたいー!




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呑む気オヤジの、読む!~「ソウルケイジ」

2013-04-03 | 本の話
ソウルケイジ (光文社文庫)
誉田 哲也
光文社


♪「ソウルケイジ」誉田哲也著 光文社文庫 

昨日ご紹介した誉田哲也の「姫川玲子警部補シリーズ」第2弾。
第1作に引き続き、美人女性警部補姫川玲子が直感と推測でバラバラ殺人事件の犯人と事件の真実を追い詰めてゆく。その姿勢や生き方には十分に共感できる。小説としてのストーリーの組立も良い。エンターテイメントとしての完成度も十分高い。場面によっては「手に汗握る」感じもあってとても楽しめる。
でも、でも、読み物としての深さとか、感銘度とか、緻密さとか、そういう面ではまだまだかなぁー。横山秀夫とは、まだちょっと隔たりがあるかもしれない。
いやいや、別につまらないとか物足りないとか言うのではない。十分にエンターテイメントで楽しめる。
玲子と犬猿の仲だった日下警部補との確執はどうなるのか、少しは分かり合えるようになったのか。玲子と部下の菊田の将来はどうなるのか、アホを装って玲子に付き纏う部下の井岡とはどうなるのか…、興味は尽きない。
そんなことについて、読者をハラハラさせる小説って、やっぱり出来が良いんだろうね。
ぜひ読むことについて、お薦めします。誉田さんは、やっぱりタダものではありません!



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呑む気オヤジの、読む!~「ストロベリーナイト」

2013-04-02 | 本の話
ストロベリーナイト (光文社文庫)
誉田 哲也
光文社


♪「ストロベリーナイト」誉田哲也著 光文社文庫 

面白くて、久しぶりに一気に読んだ警察小説。竹内結子で映画化されて話題になっていると思っていたら、なんだ去年の初めからTVドラマでやっていたんだ。最近は、すっかりTVドラマにご無沙汰なもので、全然知らなかった。

姫川玲子は、警視庁捜査一課で姫川班を率いる美人警部補。過去の忌まわしい出来事を跳ね除け、ベテランや年下のモサを束ね、凄惨な殺人事件解決に向けて奔走する。
警察小説というとなんといっても横山秀夫だし、まだ読んだことはないが今野敏や佐々木譲が有名だ。横山秀夫を読んで「あぁ~、警察の内部ってこうなんだー。如何にもありそう」と思ったが、この話でも警視庁と所轄のセクト主義とか、同じ捜査一課の中での確執など、そういう世界なんだろうなぁーと、妙に納得するところがある。

この小説はミステリーであり、息もつかせぬ犯人追求が持ち味だが、一ヶ所だけグッと来たシーンがあった。
玲子が高校時代に巻き込まれた事件の裁判で、執拗な追求を仕掛ける被告側の弁護士に対して、その事件絡みで殉職した女性警官を擁護して玲子が食ってかかる。その時に傍聴席にいたその女性警官の同僚たちが一斉に立ち上がり、玲子に対して敬礼をするシーン。それを見て玲子は警察官になることを決意する。
「おぉ~、警察官ってかっこいいじゃないか!」そのシーンにオジさんはちょっとウルウル。
いずれにしても、多少ストーリー展開に無理があったり、奥深さに欠けるところもあるが、それらを凌駕する面白さがある。お勧めです!ハート4つ!
シリーズ第2弾の「ソウルケイジ」も、もうすぐ読み終わります!


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呑む気オヤジの、読む~「新幹線、お掃除の天使たち」

2013-02-24 | 本の話
新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?
クリエーター情報なし
あさ出版


♪「新幹線、お掃除の天使たち」遠藤功著 あさ出版

これも読書部メンバーご推薦図書。久しぶりにノンフィクションを読んだ。

JR東日本のグループ会社の鉄道整備㈱、通称「テッセイ」は、東北新幹線、上越新幹線の車両清掃、東京駅や上野駅構内清掃を請け負う会社。そのテッセイでは社員・スタッフがイキイキと活躍し、自らが工夫して仕事に取り組み、最大限の効果を上げ、新幹線の利用者に感動を与えている。
でも昭和27年創業の同社が、普通の清掃請負会社から「世界一の現場力」を持つ満足度No.1の会社に生まれ変わったのは、ここ数年のことという。その生まれ変わるまでの7年間の取組みを、社員・スタッフの生の声である「エンジェル・レポート」とともに紹介している。

そうなんですよ、仙台に来てから月1~2回は新幹線に乗っている。東京駅で新幹線を待っていると、赤い制服制帽の中年(というかどう見てもシニアが多い)のお掃除隊が、到着する新幹線を整列して出迎える。乗客が降りるとサッと車内に入り、見事な手際で室内清掃に取り掛かる。終わったあとは、またホームに整列して乗客をお見送りする。
子供を見かければ、ポストカードを配ったり、帽子に季節の飾り物をつけたり、お年寄りの介助をしたり、ホントに心の籠った行き届いたサービスだなぁ~と感心していたものだ。
この本を読んで、その会社や社員・スタッフが目指すものが良く分かった。なるほどねぇ~、みんなよく考えているわー。
基本的にメンバーがやっているサービスは自分たちが自ら考えたもの。こうすれば効率的じゃないか、こうすれば喜んでもらえるのではないか…。その集大成が奏功し、お客様から支持されている。
特に競争相手がいるわけではないし、頑張ったから売上が伸びるというものでもない。でも、どうしたらお客様が喜ぶか、また自分たちが楽しく働けるかを一生懸命考える。まさにお客様サービスの原点だ。
「社員自らが考えて行動する」という理念は、多くの企業が掲げている。でもどれだけ実践できているか。この会社には単なるお題目ではなく、社員一人ひとりが本気で取り組んでいることが分かる。

実はこの本を読む前から、あの赤い制服の清掃集団に加わって働いてみたいと思っていた。みんな楽しそうなんだもの。
この本を読んで、その気持ちは更に強くなった。定年になったあと、僕でも雇ってもらえるかしら?


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呑む気オヤジの、読む~「花宵道中」

2013-02-24 | 本の話
花宵道中 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


♪「花宵道中」宮木あや子著 新潮文庫 

会社の読書部のメンバーが紹介してくれた一冊。
う~ん、久しぶりにオジサンは感動の嵐です。江戸も末期の吉原で、自分の意思とは裏腹に、夢も希望もなく男の欲望を満たすだけの日々を過ごす花魁たち。その彼女たちが背負う切なさ、儚さ、か弱さ、したたかさ…。
吉原の中で生まれたり、口減らしのために親に売られて吉原に来たり、事情はいろいろあっても、女たちは人生のほとんどを見世で過ごす。
自分の意思では外に出ることができない。外に逃げるときは命懸け。どこまでも追いかけられ、見つかれば連れ戻され、今まで以上の辛い人生が待っている。
無事に年季が明け外の世界に出ていっても、それまで数十年過ごした中の暮らしが染み付き、結局馴染めずに戻ってくる花魁も多い。
花魁道中の華やかな見かけとは裏腹の、先の見えない閉塞した世界に蠢く女たちの人生が、なんとも胸にグサグサっと迫ってくる。
短編集で、登場する花魁たちが時を前後していろいろ絡み合う。これもまた「あー、そういう関係だったのか」と、オジサンの胸がグサッ!

この小説、「女による女のためのR-18文学賞」受賞作品だ。ということで、結構エッチなシーンも出てくる。でもそれがとても効果的スパイスとなっている。
ちょっとエロが苦手な女性には「ん?」と感じるかもしれないが、それを上回る感動があるし、新潮文庫が出していて、「新潮文庫の100冊」にも選ばれている。だから大丈夫ですよ!
オヤジ大推薦の、久々胸キュンハート5つ!!




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呑む気オヤジの、読む!~「永遠の0」

2013-02-03 | 本の話
永遠の0 (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社


♪「永遠の0」百田尚樹著 講談社文庫

我が職場の「仙台支店読書部」内で大絶賛のベストセラー小説。もちろん世間でもミリオンセラーとなった。

大学を卒業して司法試験合格を目指しているが、続けて落ち最近はやる気をなくしてぶらぶらしている健太郎は、フリージャナリストの姉から実祖父のことを調査する手伝いをしてほしいと頼まれる。
二人の母は祖母が再婚する前の夫との間の子。その前夫は、海軍でゼロ戦のパイロットであり、終戦間際に特攻隊員として戦死していた。その前夫のことを調べるというのだ。
二人は実祖父と軍隊時代に関係のあった人々を探し出し、話しを聞いていく。次第に祖父の清廉な人間性と共に、いかに先の戦争が悲惨で残酷で愚かなものだったかを思い知っていく。妻を愛し娘を愛し、絶対に生きて帰ると明言していた祖父が、なぜ最後は志願して特攻機に乗り込んだのか。最後に二人は、意外な人生の巡り合わせ、人間の愛の深さに思い至る。

元戦友たちが語る祖父のこと、そして戦地ごとの悲惨な体験等は涙なくしては読めない。読書部でも世間一般でも「泣けた!感動した!」という評価がほとんどだ。
もちろん、最近涙腺緩みっぱなしオヤジの僕も何度かウルウルする場面があった。でも後半になって、別なことを考えてしまった。「なんで日本はこんな愚かな戦争を始めたのか、誰の責任か、過酷で地獄のような前線に机上の空論で勝ち目のない作戦を指示したのは誰なのか、一人の人間が爆弾を抱えて敵艦船に突っ込むなどどいう成功確率もほとんどない愚かな戦法を誰が考えたのか、誰が命令を下したのか…」

太平洋戦争に関わる書籍や研究などは数えきれないほどあるのだろう。もちろん僕もこれまでにいくつかは読んだことがある。でもこの戦争について、日本国として、日本人として、どれだけ総括したのだろうか。
極東裁判で、戦勝国側からの断罪は済んでいる。じゃ日本は、日本人はあの戦争をどう考えるの?どう反省するの?他のアジア諸国に対する責任問題(大量虐殺や慰安婦問題など)も結論は出ていないが、自分の国のことさえ整理がついていないのではないか。ドイツと比べると、全く生ぬるい感じがする。
日本人は、自分のこと、自分の仲間のこと、自分の国のことになると、冷静な目や公正な目で判断したり発言したりができない民族なのかぁー。
このあたりの話はいろいろ微妙だし、不勉強のままの発言は控えるべきなので、もっと勉強してみます。




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呑む気オヤジの、読む!~「おやすみラフマニノフ」

2012-12-25 | 本の話
おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)
クリエーター情報なし
宝島社


♪「おやすみラフマニノフ」中山七里著 宝島社文庫

「さよならドビュッシー」を読んで、その素人離れしたクラシック音楽の知識と曲目解説力、そしてミステリーとしてのトリックの奇抜さと面白さに度肝を抜かれた。こりゃ、2作目の本作を読まない理由はない!

音大でヴァイオリンを学ぶ晶は、ガールフレンドで、音大の学長にして日本のピアノ界の大御所である柘植彰良の孫娘の初音と学園祭の目玉である学内オケのメンバーとして練習に励む。
そんな中、演奏会で初音が使うストラディバリウスのチェロが密室から忽然と消える。その後もラフマニノフのコンチェルトでピアノを弾く予定の柘植学長の愛用のピアノが水浸しにされ、更に学長を狙うようなメールまで届いた…。

前作で類い稀なピアノ演奏と、卓越した推理力を披露してくれた岬洋介は、今回も音大の講師として登場し、ピアノばかりか指揮者としての才能も発揮し、もちろん名探偵として事件を解決する。
うーん、面白いねー。ミステリーとしてのストーリー仕立ては健在。多少無理があったり、前作と較べると意外性が少ないなど、ちょっと物足りないところもあるけど、結構良く出来たトリックだ。今回は音楽大学を舞台にした話なので、まさに「のだめ」チックな音楽小説の趣きも濃い。でもこれが面白い!
まさに今までにない「音楽+ミステリー」のジャンルを確立しつつある。
巻末の解説を書いているピアニストの仲道郁代が「CD付きで本を販売して、演奏を聴きながら読んだら最高」と言っていた。うーん、仰る通り!ぜひともCDで実際の音楽を聴いてみてほしい。まさに著者の曲解説が的を射て、胸に迫ってくる。
音楽関連のミステリーは当分おやすみ?のようだ。ぜひとも音楽関連の次回作を期待しています!f


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