呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気オヤジの、読む~「花宵道中」

2013-02-24 | 本の話
花宵道中 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


♪「花宵道中」宮木あや子著 新潮文庫 

会社の読書部のメンバーが紹介してくれた一冊。
う~ん、久しぶりにオジサンは感動の嵐です。江戸も末期の吉原で、自分の意思とは裏腹に、夢も希望もなく男の欲望を満たすだけの日々を過ごす花魁たち。その彼女たちが背負う切なさ、儚さ、か弱さ、したたかさ…。
吉原の中で生まれたり、口減らしのために親に売られて吉原に来たり、事情はいろいろあっても、女たちは人生のほとんどを見世で過ごす。
自分の意思では外に出ることができない。外に逃げるときは命懸け。どこまでも追いかけられ、見つかれば連れ戻され、今まで以上の辛い人生が待っている。
無事に年季が明け外の世界に出ていっても、それまで数十年過ごした中の暮らしが染み付き、結局馴染めずに戻ってくる花魁も多い。
花魁道中の華やかな見かけとは裏腹の、先の見えない閉塞した世界に蠢く女たちの人生が、なんとも胸にグサグサっと迫ってくる。
短編集で、登場する花魁たちが時を前後していろいろ絡み合う。これもまた「あー、そういう関係だったのか」と、オジサンの胸がグサッ!

この小説、「女による女のためのR-18文学賞」受賞作品だ。ということで、結構エッチなシーンも出てくる。でもそれがとても効果的スパイスとなっている。
ちょっとエロが苦手な女性には「ん?」と感じるかもしれないが、それを上回る感動があるし、新潮文庫が出していて、「新潮文庫の100冊」にも選ばれている。だから大丈夫ですよ!
オヤジ大推薦の、久々胸キュンハート5つ!!




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