隠蔽捜査 (新潮文庫) | |
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新潮社 |
♪「隠蔽捜査」今野敏著 新潮文庫
東大を卒業しキャリア組として警察官僚となった竜崎。警察庁長官官房総務課長で警視長という超エリートだ。
キャリア組のエリート警察官僚は、国家のため、国民のため、そして警察のためにプライベートを犠牲にしても身を粉にして働くべしというポリシーの持ち主だ。だから家のこと、子供の教育などは妻に任せっ放し、ゆっくり子供と話したこともない。
そんなある意味「変人」の官僚なので、警察官が連続殺人を犯した時に、周りの上司や同僚の、組織を守るための揉み消し工作を見逃せない。あくまでも司法の手に委ね、正規の処罰を行うべしとして、上司と戦う…。
う~ん、面白いねー。最初のうちはなんか嫌な奴っぽかったが、読み進むにつれ武骨に警察官僚としての矜持を保つ姿勢にだんだん共感を覚えるようになった。最後のほうは愛すべき奴じゃないかと応援したくなった。
警察小説といえば、最近は横山秀夫を思い浮かべるが、今野敏の世界もなかなか良い。
お勧めです!
♪「果断~隠蔽捜査2」今野敏 新潮文庫
第一作で、息子の不祥事が発覚し、警察庁幹部から所轄の大森署長に降格された竜崎。所轄の警察署でも変人ぶりを発揮し、独自の価値観で自ら所轄警察の指揮を執る。
管轄地域内で強盗の立て篭もり事件が発生し、SITやSATが活躍し犯人を射殺し人質を無事救出する。しかし犯人の所持していた拳銃には銃弾が残っておらず、現場の指揮をしていた竜崎の犯人射殺の判断の可否が問われる…。
いかにもミステリーっぽいどんでん返しと、常に冷静沈着な竜崎の態度(実はそれが変人の片鱗)が面白い。
竜崎警視長シリーズは、現在5話まで続いているらしい。この前、第3作目の「疑心」を入手し、読み始めた。
相変わらず面白うそうだ。読み終わったら、ご報告します。