ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.2.27 「ママ~、抱っこ~」に何度も振り返ったこと

2014-02-27 20:24:28 | 日記
 昨日の昼休みのこと。
 昼食を摂りにお散歩がてら学外に出たのだが、遊歩道で気になる母子を見かけた。
 2歳くらいだろうか、小さな男の子が延々と泣いている。お母さんは怖い顔をしてどんどん先を歩いて行く。

 男の子は声を限りに泣いているけれど、時々泣き声が大きくなったり小さくなったり。泣きながら必死でお母さんの後を追いながら歩く。周りの人たちも皆、心配そうに振り返っている。
 遊歩道を男の子の泣き声が響き渡り続け、さすがにバツが悪いのか、お母さんも時折振り返って立ち止まる。けれど、決して手を差し伸べず、男の子を睨みつけて何か言っている。
 男の子はただただ「ママ―」「ママ-」と泣いてお母さんを呼び続け、その間に「抱っこ~」が挟まる。

 昔の自分のことを思い出して胸が締め付けられそうになる。
 多分、男の子はお母さんの言うことを聞かないで怒られているのだろう。それでも男の子はお母さんしか頼る人がいないのだ。
 どんなにお母さんが怒って、「先に行っちゃうからね!もう知らないからね!」と宣言したところで男の子には通じない。だって、お出かけ中にお母さんに先に行かれてしまったら一人でここにいるわけにいかない。一人ではおうちに帰れないじゃないか。

 その切ない泣き声をずっと耳にしながら、心配で何度も何度も振り返ってしまった。
 あの後、ちゃんと抱っこしてもらっておうちに帰れただろうか。とても気になる。

 子育て中、特に反抗期になってくる2歳の男の子に手を焼くお母さんの気持ちはとてもよく分かる。でも振り返ってみればその期間は決して長くない。
 「ママ―、抱っこー」と涙と鼻水でグチャグチャな顔になっても、何があってもひたすらお母さんを追いかけてくる時期なんて本当に短い。
 気付けばあっという間に生意気な小学生になり、思春期を迎え小難しい中学生になり、体格よろしき高校生になり・・・そう、このクソガキ(失礼!)を通り越しておっさん状態になってしまうのだ。あたかも自分は一人で大きくなりました、というような顔をして。

 だからお母さん、どうか、今はぐっと我慢して一杯一杯抱っこしてあげてください、今の蜜月を楽しんでください、と祈りたい。
 この後、ああ、抱っこしたい!と思ってみても、子どもは二度と小さくはならないのだから。まだ柔らかい小さな体をぎゅーっと抱き締めることなんて出来ないのだから。

 高校の卒業式を明後日に控え、巣立つ息子を前に、ちょっぴりセンチメンタルになっている私である。



コメント (2)
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