ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.2.5 ゼローダ・タイケルブ休薬から1週間 採血後診察

2014-02-05 20:38:36 | 治療日記
 休薬して1週間後の通院日。昨日の雪が溶けずに凍りついた路面が怖いこと怖いこと。息子の部屋では結露が凍り付き、窓が開かない。こんなことは初めてだ。
 自転車に乗る夫と息子が少し早めに出かけてくれたので、私も余裕をもってレインブーツとダウンコート、パンツの重装備で、ヨチヨチ歩きで駅まで歩いた。これでいつかのように“すってんころりん”などしたら目も当てられない。
 鏡を見ると、もはや顔は“おてもやん”のようになっている。昨日までは右頬と鼻の周りの湿疹が酷かったが、今朝になって左も悪化、そしておでこまで・・・。マスクをしていこうかどうか迷ったが、今日は病院に行くわけだし、と思い切ってそのまま出かけた。赤みが増して痒さが気になり始めた。

 私鉄は予定通りの電車に乗れ、乗換駅でも予定通りのJRへ。うまく座席を確保して読書を始めたところ、途中で急ブレーキ。「線路に人が・・・」のアナウンスで、安全確認が終わるまで10分程度の遅れ。(下痢が酷かった)先週だったら大事だったな・・・と、とりあえずお腹が落ち着いている(とはいっても、お腹の薬を飲んでいるのに今朝も明け方の泥便の後、軟便があり、まだまだ本調子というわけではない。)今日で良かった、と思う。読み始めた文庫は「嫉妬する面白さ」という帯のとおり、面白さ満開でいきなり引き込まれる(近日中にご紹介したいと思う。)。

 病院最寄駅の前にはもう雪は全く残っていなかった。青空でいいお天気になったが、風が冷たい。
 予定の10分遅れで病院に入ると、自動再来受付機前にはやはり列が出来ている。IDカードを通し、採血受付へ向かう。朝の10分の遅れは大きく、待合椅子には座れず、立ったまま待つ。電光掲示板には“21分待ち”とあったが、受付後10分程待ち、お手洗を済ませて待っていると、ほどなくして私の受付番号が“採血室へどうぞ”になった。
 採血の担当は今日もまた初めての男性。腫瘍マーカー測定があるので今日は3本採取。今回も紙テープをリクエスト。針刺・抜針ともまあまあ及第点の痛み。そして、荷物を全部持ち上げるまで手を貸してもらうようお願いして、コートやらバックやらの大荷物を携えて腫瘍内科受付へ移動。受付はスムーズで、月初めの保険証確認も問題なく済ませる。待合椅子はまだそれほど混雑していないように見える。ここまで、病院到着から30分で済んだ。
 気付くとスマホのグリーンランプが点滅している。LINEにSさんとBさんから、今日の通院や口内炎を案じたコメントが入る。皆、朝は自分のことで忙しく大変だろうに本当に有難いことだ。すぐにお返事。

 “中待合へどうぞ”のランプが点くまでは、読書をして時間潰しをする。自動血圧測定機で計測した結果は112-65、脈は78。私にしてはやや高めだ。中待合に移るまで、今日も2時間ほどかかった。「いつまで待たせるんだ」などと声を荒げて受付に掛け合っている年配の男性もいた。気持ちはわかるけれど、皆、静かに待っているのだから・・・。ではあるけれど、本当に具合が悪い時に、予約していて2時間待ちは堪えるよな、と思う。
 電光掲示板には先週同様“診察60分遅れ”と出た。読んでいた文庫が面白く、頁を繰る手が止まらなかったが、今日はお手洗に行くタイミングを気にすることもなく読書に熱中。
 中待合に入って読書を続けていると、かつて化学療法室にいらした認定看護師のKさんの姿が。「こんなになっちゃいました・・・」と顔を上げると、隣に座ってくださり、今回のタイケルブ・ゼローダ治療の様子を一気に聴いて頂く。口内炎や手の痛みも訴えると診てくださる。そうこうしているうちに先生がお顔を出され、Kさんも一緒に診察室へ入ってくださったのはお昼少し前のこと。

 今日は病院到着から先生にお目にかかれるまで3時間弱かかった。「さて、どうでしたか?」と問われ、「こんなになりました・・・」と顔を見て頂く。そして、休薬中にもかかわらず鼻血、口内炎が酷く、下痢は落ち着いてきたものの殆ど食事が摂れずに体重は1kgしか戻せなかったこと、食事がきちんととれていない所為かふらつきがあり、疲れが酷いこと、唇が切れて出血したり、手指の痛みが悪化していること、顔の湿疹等次々に副作用が出現したことをご報告。診察室での検温は6度6分。
 先生は、「うーん、よく出ますね~こんなに副作用が酷い人は初めてです・・・が、」とPCを見せて下さる。そこには急降下したマーカーのグラフが!なんとずっと上がり続けていたCA15-3が激減して正常範囲内に入っているではないか。「は?本当ですか!?」という感じ。 
 「10日間しか服用せずにこんなにマーカーが反応した人も初めてです。」とのこと。一体どれだけミルク飲み人形のような体なのだろう。なんとも単細胞ではないか。
 そして、先生がおっしゃるには、「この副作用の出方だとゼローダよりもタイケルブがとても効いていると思われる。下痢と湿疹が治まってきたらタイケルブを再開したいが、このまますっかり湿疹が無くなるのを待っていたら再開出来なくなるし、飲み始めればまた湿疹は出てくると思うので、とりあえずステロイドや保湿を頑張って、落ち着いてきたらタイケルブを単剤で再開してほしい。段階的に増やして、行けるところまで(副作用が耐えられるところまで)増やしていく。それで有望ならゼローダは使わずに残しておきたい。というのも、ゼローダはハーセプチンとペアで使えるので次の手として取っておけるので。」とのこと。
 私は、再開する時はタイケルブとゼローダがセットだとばかり思っていたので、タイケルブ単剤と聞いただけでもうすっかり嬉しさで舞い上がってしまう。ここ数日、台所仕事でお湯を使ったり、お風呂に入って手先を温めただけでチリチリと痛んで眠れなかったし、爪も痛んできていたので、手足症候群が先送り出来るのなら、仕事でパソコンを打てなくなるかも・・・と心配しないですむから本当に有難い。
 まずは1錠から始めて5日間、大丈夫なら2錠に増やしてみて、悪くなるなら一旦やめて1錠に戻す、下痢や皮膚が悪化して消耗するなら1錠でも止めてよい、とのこと。いずれにせよ、皮膚の状態が落ち着いてから始めましょうということになった。
 他の採血結果は特に問題なし、ということで白血球も3,200あったらしい。が、タンパク質は低かったという。これはろくに食べられなかったことによる低栄養状態ということだろう。
 今日は湿疹対策にステロイドのロコイド軟膏、引き続き保湿のヒルドイドローション、それに再開予定のタイケルブ2錠を2週間分、下痢対策の小建中湯、ラックビー、口内炎対策にアズノールとデキサルチン軟膏を処方して頂いた。
 次回は2週間後に予約が入った。先生に「それでは健闘を祈ります!」と送り出され、「はは~っ」とご挨拶をして診察室を出た。

 そして、化学療法室へご挨拶。前回、針刺し名人Oさんにお目にかかれなかったのが気になっていたが、すぐにそのOさんが出てきてくださる。「こんなになっちゃいました~」と顔を見せ、口内炎や唇の荒れのことを話すと、オーラルケアの試供品をくださった。「(こうして沢山の副作用が出るのは)○○さんらしいですね・・・」と言われ苦笑。「2週間後はポートのフラッシュに来ます。」とご挨拶して化学療法室を後にした。

 会計が出来るまで若干待ちながら、心配してくれている夫や友人たちに報告メール。そして自動支払機で支払を済ませる。今回は4,000円ほど。点滴がないと一桁違うのである。
 そして、院外薬局へ移動。今日は満席なほど混んでいる。15分くらい待つと私より後の番号の方が呼ばれ始めた。沢山あるので後回しかな、と思いながらメールやラインで連絡を続ける。途中、先週下痢止めを出してくださった薬剤師さんが「今日はタイケルブだけですが・・・」と確認にみえる。「副作用もあり今回は単剤で様子を見ることになりました。」と説明。その後15分ほどして、ようやく別の薬剤師さんから番号を呼ばれる。殆ど他に誰もいなくなっていた。状況をお話しして、説明を受け、袋一杯の薬を受け取る。支払は2万円弱だった。

 本日の病院と薬局を含めた滞在時間は4時間強。さすがに今日は空腹のまま帰る元気がなかったので、駅ビルでゆっくりランチを摂った。熱いものは冷ましながら、軟らかいものを少しずつ。1時間かけて全て美味しく頂くことが出来た。唇の荒れが大分収まってきて口内炎も小さくなり始めている。もうひと頑張り、といったところ。とにかく食べられるようになれば俄然元気が出てくる。あと2kg、2週間後には順調に戻っていてほしい。途中乗換駅で買い物をしながら最寄駅へ。今日はタクシーに乗らずちゃんと歩いて、明るいうちに帰宅出来た。

 帰宅すると今月初めてのお花が届いていた。ピンクとクリームのガーベラが4本ずつ、紫のアイリスが3本、そして黄色いソリダコが2本。ぱっと明るい春が来た感じの組み合わせ。ボヘミアングラスの花瓶に投げ入れただけで心が浮き立つのを感じる。花言葉はそれぞれ「神秘」、「優しい心」、「永遠の少年」だという。

 とにかく今は湿疹のケアを頑張ろう。そして、自分の体の声を聴きながらタイケルブの再開をしたいと思う。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする