ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.12.15 昨日通院日に読んだ2冊

2011-12-15 20:41:33 | 読書
 昨日は2冊読んだ。
 1冊目は池谷裕二さんの「受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法」(新潮文庫)。
 帯には「徹夜は無駄!好奇心こそ記憶力の鍵 裏ワザ満載、最強の勉強法 脳をダマして、受験に克つ!」とある。50歳にもなって何をいまさら受験脳、と言われるかもしれないが、新進気鋭の脳科学者である池谷さんの前著「脳はなにかと言い訳するー人は幸せになるようにできていた?」がとても面白かったのでまた手にとった。
 「はじめに」でご本人が書いておられる通り、この本は「高校生の勉強法」を文庫化したものだそうだ。出版後10年が経ち、その間、脳研究が進歩して、10年前には答えられなかったことが分かり始めており、当時の内容が間違いであったと判明したことさえあるそうだ。今回の文庫化にあたり、もはや大学受験に限定されるものでなく、高校受験から社会人の各種資格試験・昇級試験までより広範な汎用性を備えている、という。
 実際、専門用語もありながらとても読みやすく、あっという間に読破。有名人の格言や高校生の体験談に著者からのコメントが付いていたり、と楽しい工夫もある。
 「おわりに」にあるとおり、確かに「あの時、こうすればよかったのか!」と感じたことや、自分でやっていてなんとなくよいと感じていた方法に科学的な裏付けがあることを知り、「今までの勉強法は間違っていなかった」と自信を深めたこともあったと言える。
 それにしてもつくづく脳は凄いものだ。
 ぜひとも、息子に読んでほしいと思う。私のいうことは聞かなくても、本棚に置いてある本が同じことを言っていれば、少しは考えが変わるのでは。読みたいものはいつでも何でも読んでいいよ、ということになっているのだけれど・・・。

 2冊目は井上荒野さんの「雉猫心中」(新潮文庫)。
 帯には「男には見えない景色を女は見る。女は感じていない温度を男は感じる。男女それぞれの視点から描く官能の物語」と、裏表紙には、「雉猫に導かれて出会う2人。男には妻と娘がいて、女には中学教師の夫がいた。
夫の奇妙な性癖、近所の不気味な老人、理解不能は中学生たち。…男女それぞれが同じ出来事を語り、嘘やすれ違う感情を重層的に描き出した恋愛長編」とあった。
 確かに、プロローグと、第1部「おわりのはじまり」は女が、第2部「おわりのはじまり」は男が、エピローグは再度女が、語っている。第2部は、えっ、彼はこんなふうに思っていたの、と絶句する部分が沢山で、ちょっと参った。解説で東直子さんが書いておられるように「道ならぬ恋がまといがちな「甘美な感傷」に浸ることを、決して許してくれない。女と男の双方の視線で綴られるエピソードは、それぞれのリアルな心の動きが、相手に対する批評となってつきささり、一方のロマンを一方がシビアにつぶしてしまう構造になっているのである。」とおりである。ラストはあまりに哀しい・・・。一読では読み切れなかった気がする。要再読、か。

 昨夜はナウゼリンを飲んで寝たところ、気持ち悪さで早朝目覚めることがなかった。今朝は冷え込んだけれど、日中はとても暖か。
 今日は会議もあるため、朝食前、昼食前とナウゼリンに頼ってしまった。さすがにイチョウの黄色い葉はもう殆ど落ちてしまったが、お昼休みは貴重な陽射しを楽しみながらお散歩した。
 毎回毎回、投与のたびに同じことを書いていては仕方がないのだが、やはり気持ちが悪い。食欲もなく、気分は冴えない。職場にいるので気が張っているからなんとかやり過ごせているけれど、いざ家に帰ると、いきなりどっと疲れが出る。これで仕事をしていなかったら、きっとひねもす横になったりお昼寝したり、という過ごし方をすることになるだろうな、と思う。

コメント
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