生き生き箕面通信

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2110 ・自民党が「慰安婦問題」の全否定に動き出しました

2014-10-03 09:31:51 | 政治

 お早うございます。
生き生き箕面通信2110(141003)をお届けします。

・自民党が「慰安婦問題」の全否定に動き出しました

 自民党の国際情報検討委員会(原田義明委員長)は昨日10月2日、従軍慰安婦問題で朝日新聞が誤報と認めたことを受け、「誤った国際認識は断固として正していかなければならない」とする内容の決議を行ったことを党外交部会などの合同会議に報告しました。

 この自民党の動きは、日刊ゲンダイが昨日いち早く伝えました。

 それによると、小委員会の決議は「『強制連行』の事実は否定され、性的虐待も否定されたので、世界各地で建設の続く慰安婦像の根拠も全く失われた」と主張しているそうです。

 以下、日刊ゲンダイの記事を引用します。

 「いやはや、ぶったまげた。国民が知らない間に安倍自民党が歴史修正を推し進め、それを世界に発信しようとしている。

 国際社会は、その唐突さと非常識にビックリ仰天するのではないか。

 問題になっているのは先月19日、自民党の外交・経済連携本部国際情報検討委員会(原田義昭委員長)がまとめた「決議」だ。そこにはこうある。

 
<朝日新聞が慰安婦問題などにつき虚偽の報道であったことを認めた>
 <いわゆる慰安婦の「強制連行」の事実は否定され、性的虐待も否定されたので、世界各地で建設が続く慰安婦像の根拠も全く失われた>
 <かかる誤った国際認識には断固として正していかなければならない>
 <国として、そのための積極的政策をしっかりと進めていかなければならない>

 そもそも、この委員会は「攻めの情報発信」「国際情報戦略」などを掲げて、「中間とりまとめ」(今年6月)では<NHKワールドなどの枠内では報道の自由などの基本的制約が多い><新型の国際放送の設立を検討する>などとうたっていた。

 報道の自由を「制約」とは恐れ入った感覚だが、「決議」の方はもっと驚く。朝日が認めたのは吉田証言の虚偽であって、それをもって、慰安婦の「強制性」や「性的虐待」までが否定されたわけではない。

 それなのに政権与党が慰安婦問題を全否定し、それを世界に積極広報し、「正していく」などと決議した。まさしく歴史修正主義ではないか。

■「吉田証言」はたった3行

 こうなったのは安倍首相のお友達らが、国連人権委員会が採択した従軍慰安婦についてのリポート「クマラスワミ報告書」を問題視し、「次の主戦場は国連だ!」などと叫んでいることもあるのだろう。

 菅官房長官も「報告書は朝日記事の内容に影響を受けている」と語り、あたかも朝日報道によって、国連のクマラスワミ報告書がねじ曲げられたかのような世論をつくり出そうとしている。

 しかし、この報告書に出てくる吉田証言のくだりは、たった3行なのである。報告書は50ページに及ぶものだが、その他は元慰安婦や元兵士からの聞き取り調査であり、そこには慰安婦の被害実態が生々しく出てくるのだ。

 早大客員教授の春名幹男氏が言う。
 「日本では朝日の報道が慰安婦問題の根拠のすべてと思われていますが、違います。国連の報告書を見ても、吉田証言以外の情報の方がはるかに多いし、韓国も韓国なりに調べている。各国は日本に対して厳しい態度で臨んでいることを踏まえないと、日本は違うイメージ、レッテルを貼られてしまいますよ」

 日本はどんどん、おかしな方向に進んでいる。

 以上、引用おわり

 安倍自民党は、彼らの言葉で表現するなら、「歴史を正す」ことが必要不可欠であり、安倍政権の使命と考えているようです。腰を据えて、「従軍慰安婦問題は一新聞社の誤報からもたらされた『誤解』であり、そんなものはなかった」ことにしようとする動きを強めています。

 安倍という男の頭にあるのは、「戦前の日本の姿こそ、本来の日本のあるべき姿。今の日本の姿は、占領軍アメリカによってねじまげられた”ダメな日本”であり、正さなければならない」という歴史修正主義そのものといって過言ではないようです。

 安倍自民党が慰安婦問題にこだわるのは、それを「なかった」ことにすることによって、戦後の占領軍政治を否定し、ひいては憲法を改定したいという強い意欲があると見えます。

 最終的には、国民を天皇の赤子として支配統治する体制への復帰です。

 そしてそれは、子どもの教育の現場ですでに強力に進められつつあります。言論の世界でも、大きく右旋回しつつあります。時代の空気は、あちらこちらでとがってきています。