おはようございます。
生き生き箕面通信2104(140927)をお届けします。
・本物の経済学者、宇沢弘文さんが亡くなった
シカゴ大で同僚ながら、市場原理主義の元凶、ミルトン・フリードマンを「危険な経済学者、アメリカの経済学をゆがめた。市場原理主義を真に受けて起きたのが2008年のリーマン危機である」と、こっぴどく批判した宇沢弘文さん。白ひげがトレードマークの宇沢さんが、86歳で亡くなりました。
ノーベル経済学者のジョセフ・ステグリッツを始め、国内外で有力な経済学者を育て、自らもノーベル経済学賞に最も近いと毎年、候補に挙げられていました。
単なる経済学の分野を超えて幅広くとらえ、とくに環境問題を重視、リュックひとつで調査に出かけるなど実地を大事にする姿勢を貫きました。
環境問題を経済学のなかに取り込みなんとか解決できないかと格闘する姿は、真のジャーナリストを超えた姿に見えました。
日経新聞は、訃報を知らせる記事の中で、「学校、病院といった社会的インフラから自然環境までを包含する『社会的共通資本』という概念の重要性を提唱。そして、地球温暖化を防ぐため、二酸化炭素(CO2)の排出1トン当たりの税率を、1人当たり国民所得に比例させる『比例的炭素税』の導入などを提言した」と、追悼しました。
別の追悼記事でも、「自動車がもたらすマイナスをはじめ公害などの社会的費用を考慮した『公共経済学』の分野を切り開き、それは発展途上国の支援策を検討する際にも幅広く応用され、新興国の台頭を陰で支えた」と、惜しんでいます。
東大理学部数学科を出て、36歳でシカゴ大の教授に就任。大酒のみでもあったそうです。
ここでとんでもなく親ばかちゃんりんをさらけますと、私ごとながら息子が同じように東大理学部数学科のあと、フランスのエコール・ポリテクニクを経て、シカゴ大で経済学を学び、いままたエコール・ポリテクニクで経済学を教えています。ヤフーなどで「郡山幸雄」を検索してみてください。はずかしい。
今日は、「花子とアン」が終わりました。ごきげんよう、さようなら。
タイトルは、豊かな社会と貧しさ だったと思います。
国は富めるも、民は貧し。 河上肇「貧乏物語」
少し、古色と思われた産業革命時の英国の状況を述べられた後、経済の重要性、経済学の重要性を論述。宇沢弘文さんの主張、著本を紹介されていました。