生き生き箕面通信

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1810 ・「日本の有力ジャーナリズム」を僭称する読売新聞――安倍政権のたいこ持ちファシズム

2013-12-06 08:49:41 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信1810(131206)をお届けします。

・「日本の有力ジャーナリズム」を僭称する読売新聞――安倍政権のたいこ持ちファシズム

 参院国家安全保障特別委員会は昨日12月5日、問題の多くを積み残したまま強行採決に突進し、速記録によると、「議場騒然、聴取不能」の状態の中で、「賛成多数」を演出して「可決された」と主張しています。

 これで今国会最終日の本日、参院本会議でこれまた「議事打ち切り、採決を」の緊急動議を経て、ここでも「強行採決し、可決する」運びだそうです。「数のルール」だけをまかり通らせる形式民主主義の恐ろしさ。民主主義の終焉といわれる所以です。

 こうした「国会での民主主義」を、本日の新聞はどう論評したのでしょうか。

 まず、読売新聞。特別に政治部次長、松永宏朗氏の署名入りコラムを4面に掲載しました。特別コラムだから、読売新聞の立場を明らかにしたものです。見出しは、「民主主義 誰が『破壊』? 多数決の否定はおかしい」でした。読売新聞の論法は、「法案は立法府の審議を経て成立することは、日本国憲法の定めているところだ(56、59条)」と、憲法の規定に基づき採決された正当な結果だと評価しました。

 そのうえで、「にもかかわらず、この法案について『民主主義の破壊』などと批判を浴びせる人たちがいる。『国民の代表者たち』の多数の声を無視して、少数者の言うとおりにせよ、というのは『憲法の規定を無視せよ』というに等しい」と、切り捨てました。

 そして、持ち出したのが多数派の”印籠”です。「最後は採決できめるのは民主主義のルールだ。それまでダメだというのは、少数者の横暴でしかない」と、特定秘密保護法案に反対する立場の人々を”横暴”とまでののしって批判封じにやっきです。読売新聞の「民主主義に対する理解度」はこの程度です。

 法案そのものが持つ広範な危険性に対する歯止めなどについては、一切言及なしです。読売新聞は、完全にしかも自主的に権力側のたいこ持ちに成り下がっています。怖いのは、戦後70年近くもの長い年月を経ながら、この程度の理解しかできていない読売論説陣の知能レベルです。

 民主主義に対するこの程度の理解度は、残念ながら安倍政権全体のレベルをも表しているといって過言ではありません。「ともかく今国会で成立させる。数がある」で、しゃにむに突進する。中国の天安門広場で声を上げる多くの学生たちを、戦車で制圧前進した共産党政府のやり方と精神においては同じではありませんか。安倍政権にとっては、「数」が戦車です。安倍政権は本質的にファシズムに成り下がりました。その政権を恥ずかしげもなく太鼓持ちする読売新聞も、ファシズムの推奨者といえます。

 他方、朝日新聞はどう評価したか。2面で、「暴走1強国会」の大きな見出しを立て、安倍政権の「暴走」を批判しました。同じ2面で、「幻に終わった『王道』政治」の見出しで、不意を突いた審議打ち切り、強行採決の議会運営を、「ひきょう」ですらあると断じました。社説では「民主主義に禍根を残すな」の見出しで、「秘密保護だけ先行させては、日本は行政府の力ばかりが強いいびつな国になってしまう」と、警鐘を鳴らしています。

 民主主義が数が多ければいいという形式的民主主義に陥るなら、衆愚政治になってしまいます。読売は、衆愚政治を進めているようです。それこそファシズムの狙うところです。

 これからもお分かりいただけますように、民主主義は賢く運用することが欠かせませんよね。要は、私たち自身がもっと賢くなり、安倍政権の本質を見極め、次の選挙できちんと結論を出すしかないようです。

 


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