生き生き箕面通信

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1921 ・「年令だけちょっと多めの若者」の時代が、ついそこまで

2014-03-27 07:29:30 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信1921(140327)をお届けします。

・「年令だけちょっと多めの若者」の時代が、ついそこまで

 「生ずるは独り、死するも独り。共に住するといえど独り。さすれば、共にはつるなき故なり」という言葉は、一遍上人nの教えとして広く知られています。

 最後のところは、寂聴さんによると、「どんなに愛して一緒に住んでいても、心の奥底まで共にすることはかなわない。一緒に果てることもできない」という意味なのだそうです。

 「独り世帯の時代」がもうすぐそこまで来ているそうです。作家の高橋源一郎さんが本日3月27日の朝日新聞(論壇時評、15面)に、「ひとりで生きる 新しい幸福の形はあるか」という問題提起の論考を寄せていました。

 年金開始年齢が引き上げられ、否応なく70歳まで働かなれば暮らしていけない社会になってきている。標準世帯は「夫婦子ども二人」ではなく、「単身世帯」、つまり「独り世帯」が最多の標準世帯になるのだそうです。2030年には、「中高年男性の4人に1人が独り暮らし」となっているという予想が指摘されています。

 「そして、その果てに待っているのが『認知症』」とも。10年後には、1000万人を超える認知症患者とその予備軍があふれる時代が想定されています。

 「やがてやって来る社会で、私たちはみんな『ひとり』になっていくのかもしれない。そこで、わたしたちは、どんな新しい『幸福』の形を見つけることになるのか、いまのわたしには、わからないのである」と、高橋さん。

 ただ、その前に都築響一氏の「独居老人スタイル」という本を紹介し、「毎日をものすごく楽しそうに暮らしてる、年令だけちょっと多めの元気な若者」の暮らしぶりに触れています。

 不満なのは、高橋さんの視点に、コミュニティや「集い」の視点が欠けている点です。「独居老人スタイル」にしても、年寄りが独りで何か「お宅なこと」にニヤニヤしている姿です。

 昔の日本には、村々の寄り合いや「結い」の結びつきがありました。集落全体が一つの大家族のような暮らし方です。都会でも、下町の長屋では、コメや油、醤油の貸し借りなどが普段にあったといわれています。戦後も、映画「三丁目の夕日」に描かれたころまでは、地域のコミュニティがありました。

 いま必要なのは、つながりを取り戻す地域全体の取り組みのように思われます。地域全体で声かけや集いへの誘い、見守りの習慣をつけたいものです。さもなければ、誰にもみとられず、いつの間にか亡くなっていたという「孤独死」の山が築かれる社会になりそうです。