おはようございます。
生き生き箕面通信1919(140325)をお届けします。
・「日本の人たち、私たちを助けてください」と、台湾の若い人たちが声をあげています
「ほえほえくまー、ほえほえくまー」と、台湾の学生たちがシュプレヒコールしています。国会の議場などを占拠し続けているのですが、実態は秩序が保たれているそうです。
「ほえほえくまー」は、問題のサービス貿易協定反対を意味する「退回服貿」を叫んでいるのだと聞きました。
*写真はインターネットの記事から転載
学生を中心とする若い人たちが反対の声をあげているのは、台湾が中国と結ぶことにした「サービス貿易協定」が、台湾の中小企業に大きな打撃をもたらす、人材が流出する、言論・情報の安全性が脅かされる、などからです。
サービス貿易協定の内容もさることながら、国会審議が審議途中で打ち切られ採決が強行されそうな手続きに対する反発も強かった。つまり、「民主主義の危機」という捉え方です。
日本ではかつて「大規模店舗法」がアメリカの圧力で規制緩和され、大規模店舗がほぼ自由に展開できるようになったため、八百屋や魚屋等の小さな家族経営の店がつぶれていったのが思い出されるます。台湾ではアメリカの代わりに中国が立ち現れたというところでしょうか。
日本では、こうした台湾の若い人たちの運動はあまり報道されません。しかし、台湾の若い人たちは、日本からの激励を切実に求めています。今回の運動は、最初から「非暴力」をかかげ、全く暴力的な活動はないそうです。学生たちは周辺住民にできるだけ迷惑をかけないようにと、ゴミをきちんと片づけることも守っている。学生の中には、泊まり込みの座り込みに参加しながら、勉強を続けている人も少なくないのだとか。
しかし、今回の動きを、中国での「天安門事件」になぞらえる見方も出てきました。危機感を強めてきた馬英九政権が、実力行使に踏み切る事態が刻々と近づいているという見方です。
中国寄りの馬政権は、台湾人を蔑視し、中国との統合を目指しているという見方もありました。クリミアがロシアに併合されたように、台湾が中国に併合される事態がありうるのかもしれません。
日本の報道機関は、中台の関係をもっとしっかりと報道する使命があるはずです。近隣の国々の動きにこまやかな神経を行き届かせて、正しい姿を伝えてくれなければならないはずです。
中国で天安門事件が起きたのは25年前の1989年6月でした。台湾で同じような事件が起きる時機が近づいてきているのかもしれません。