「風間陽水の依頼簿（カルテ）・875」

カルテ番号　や・6（13）

何だろう、この三人の穏やかさは。
年齢を重ねた軽やかさ。
普通、年齢を重ねると重くなる。
苦しさ、辛さ、嬉しさ、楽しさを背負ってしまう。
それなのに、より軽やかになれるのだろうか。
今の自分には、この三人に最初から並べられない。

茂木氏の変わった点が見えたような気がした。
重さが、軽やかさに変わったのだ。
同じく社長という立場になったのに、まるで違う。
厳しさが楽しさに変わっているのだ。
玲香は、昨日、何故茂木氏に会いたいと思ったのか解けた。
この、変身に魅かれたのだ。
人は変われる。

自分が変わりたいと思っていたからだ。
仕事が出来る異性に興味があったのではない。
茂木氏が、能力があるからではない。
以前の茂木氏と変わっていたからだ。
それも、とても魅力的に変わっていたからだ。
その秘密を知りたい、と潜在意識に触れたからだ。
更に、どうやら、この二人の婦人も。

（登場する人物・組織・その他はフィックションです）

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