「風間陽水の依頼簿（カルテ）・998」

カルテ番号　よ・６（8）

柳玲香は微笑んだ。
「それなら尚更いいわ。
そこの先生と話していると・・・
いえ、その先生の氣を受けると、何か変わるわ。
もちろん、いい意味で。
私もそうして、ここに引っ越してきたのよ」

百合は素直に訊ねた。
「あの～、怪しい宗教じゃないですよね。
失礼な事を言ってごめんなさい。
私、人が集まるところは苦手だから・・・」
「大丈夫よ。
むしろ、その逆。
あまり人が来ないのよ。
いつも暇みたいよ」

そういう玲香の言い方、笑い方は優しかった。
引っ越してきたくらいだから、きっと気に入っているのだろう。
どんな先生なのだろうか？
百合には珍しく興味がわいた。
かなり年配だろう、と勝手に想像した。
男の人と疎遠だったから、想像力も貧困なのだ。

（登場する人物・組織・その他はフィックションです）

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