「風間陽水の依頼簿（カルテ）・648」

カルテ番号　み・5（2）

子供に頼ろうなどという気持ちは無い。
遠くに嫁に行ったから、ほとんど実家には戻らない。
それが淋しくないとはいわないが、親を離れるのは自然だと思っている。
退職からは第二の人生。
よく、そんな言葉を聞くが、人生は第一も第二もない。
ずっと続いてきている道だ。

後悔も消したい過去もある。
充実した日々や楽しい過去もある。
だが、過去は過ぎているのだ。
どんな過去であれ、思い出にしかすぎない。
今更、動かせないのだ。
だから、過去で悩むのはしない。
その姿勢で、今日まで来たのだ。

一人で生きてきたのだから、いろいろ考えて実行してきた。
まず、なんといっても身体が元だと実感している。
肉体の健康を最優先して、日々実践してきた。
社会でいろいろな人を観察してきた。
そして、悩み、苦しむタイプがある、と思った。
生きていくには、出来るだけ悩みや苦しみとは疎遠になりたい。
裕子なりに、他人をみて、自分の生き方に反映させてきた。

（登場する人物・組織・その他はフィックションです）

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