カルテ番号 る・1(7)
翌日、同級生と再会を約束して、予約の電話をかけた。
午前中でいいという。
教わった場所までタクシーで行った。
地味な治療院だった。
だが真司は胸がドキドキする感覚があった。
何かが起こる予感だ。
「ごめん下さい。予約した類家です」
どうぞ、と迎えた院長は一見普通の人だった。
ここでも真司の野生の感覚が起こった。
長い間、格闘技をしてきた真司だった。
見かけで判断できるモノは浅いから対処できる。
手ごわいのは、構えが無い相手だ。
そういう感覚だった。
この院長が、武術をしているとは思えなかった。
武術をしていると、どうしても手に稽古の跡がある。
それはない。
通常の男の手よりも、きゃしゃなのだ。
それでも、達人クラスの武術家に感じるのは何故だろう。
恐怖心とは違う、怖さを感じていた。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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