水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・672」

2015-08-28 20:04:05 | Weblog



カルテ番号 み・5(27)

どういう意味だろう。
「それって、心の中に抱えたモノが出てくるのでしょうか?
気功で、そんな事がおこるのですか?」
そんなバカな、と思うが、事実として泣いた。
しかも、僅かな時間で現象が起きたのだ。
心の中が簡単に出てしまうのなら、それはそれで怖い気がする。

院長はまたも言葉を探しているようだ。
「心の中とは違うようです。
心の傷などから生まれたモノではないかと思っています。
まぁ、目にみえないし、証明も出来ません。
私が勝手に解釈しているだけですが・・・
でも、事実は事実。
その後、身体が軽くなるようです。
また、病が軽減されたり消えたりしますね」

「私、何か病があったのでしょうか?」
院長はアッサリ言った。
「いえ、三木さんの身体からは病を感じられませんでした。
多分、何も心配する事はないと思います」
「では、何故、涙が勝手に出てきたのですか?」
院長は再び、ゆっくりと噛みしめるように言った。
「それは、誰でもいろいろ抱えているからでしょうね」
「誰でも涙を流すのですか?」
裕子は食い下がった。

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)

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