カルテ番号 お・11(18)
大空晴美はキチンとした生き方をしてきたつもりだった。
それは対両親であり、対社会を常に意識した生き方だった。
ところが晴美からすれば、ほとんどの人の言行に誤りや誤魔化しがある。
一々面と向かって指摘や対立はしないが、腹の中で怒る事は往々にしてあった。
顔で笑って、心で怒り、軽蔑し、憐れんでいた。
そして、自分自身の心にも、悪い事に興味があり、卑怯な部分、汚い部分がある事に気付いていただけに、決して表には出さなかった。
そうした抑圧が自分で自分を傷つける病になった大きな要因の一つだと教えてもらった。
陽水はのんびりと言う。
「心なんて、多種多様な塊が星の数ほどあります。当然相反する塊、矛盾する塊があるものなのです。全てを認めた上で選択するならいいのですが、正誤や善悪で判断すると、誤りや悪と思える部分を認めないで押しつぶして隠すのですねぇ」
「わかります。自分の誤りや汚い心が有る事を知られないようにしていました」
「オープンの方が楽ですが、知られないようにするのは社会で暮らすテクニックの一つですから問題ないのですよ」
陽水は笑いながら言う。
「人前で裸になれるタイプの人もいますが、通常は隠していいのですよ」
大空晴美は理解していた。
「自分自身を否定していた事が病の元だったのですね」
「社会はいろいろメンドウなので、外面を合わせておけばいいのです。裸族の私だって服を着ているのですよ」
この後の大空晴美の症状は上向きに改善され、いざっていたのが立って歩き、杖を使いながらも外出が増え、何よりも表情が明るくなった。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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