カルテ番号 く・6(3)
黒沢典孝が治療院に行った日は頭痛が始まって一週間目だった。
痛みの強弱があり、その日はやや強めだった。
だが長年にわたり、人前で痛そうな顔や仕草をしたことがない。
電話で予約したが、症状は伏せておいた。
何となく身体の調子が悪い、とだけ伝えておいたのだ。
氣功で診るということだが、頭痛が判るかどうかも興味があった。
試している、という気持ちもあった。
治療者っぽくない、というのが最初の印象だった。
名前や生年月日などの簡単なカルテを書いた。
そして院長が症状を記していく質問事項があるのだが、質問前に言った。
「その頭痛、辛くないですか?」
あまりに自然な言葉だったので、そのまま答えてしまった。
「実はかなりキツイです」
そして、まだ頭痛の話は何もしていない事に気づいた。
「何故、頭痛だと判ったのですか?そんな顔していましたか?」
風間陽水は黒沢典孝の質問を無視して言葉を続けた。
「家族に調子の悪い人はいます?」
黒沢典孝はアパートに一人暮らしだ。
実家は同じ県内だが、かなり離れている。
そして、身内は一応健康だ。誰一人頭痛持ちもいない。
時々来る彼女も元気で陽気だ。
「身近に調子の悪い人はいないと思います」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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