伊勢すずめのすずろある記

伊勢雀の漫歩…。
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  感性の趣くままに-。

新年最初の見回りは、浚渫工事中の五十鈴川の川原

2023年01月29日 | 伊勢志摩~奥伊勢のフィールド・ワーク

浚渫工事中の 「御側橋」 下の五十鈴川の川原 ~ 2023年1月29日撮影

 今年の新年は、断続的な寒波にみまわれ、伊勢市の市街地にも雪が積もった。 1月20日の「大寒」は過ぎたものの、今が真冬の真っ只中なので、多少の寒さは仕方がないが、それにしても今冬は寒冷すぎる。 先週から続いている強烈な寒波による外気の異常低温も、完全に収まった訳ではないので、上天気の日々もずっと自宅に引きこもりがちのままに、1月も月末となった。
 しかし、自宅で暖をとっていても、気になっている事があるのは精神的に良くないので、風の凪いだ1月29日の昼前に、買い物に出たついでに、嫌がる身体に鞭を打ち、昨年末に一度眺めて来ただけの、浚渫工事中の御側橋( おそばはし )橋下の五十鈴川の川原( 伊勢市中村町 )に立ち寄った。


「御側橋」 川下の干上がった五十鈴川の川原 ~ 2023年1月29日撮影


「御側橋」 川下の雑草の枯れた五十鈴川の川原 ~ 2023年1月29日撮影


 時期的に少なくなった流水路は狭まり、川原を覆っていた雑草もすっかり枯れて、むき出しになった河床の転石が日射を受けて、だだっ広く広がっている。 市街地でこのような場所へ車を横付けにし、石拾いの出来るのはここだけであろう。

残存曹長石脈の白い紋様石 ~ 左右幅約9cm ・1月29日に揚石

 五十鈴川は、中央構造線以南の外帯を横切るように流下する清流で、中 ~ 上流は伊勢神宮の内宮の神域やその背後の宮域林であり、中 ~ 下流域の乏しい河川である。 転石に花崗岩や片麻岩類は全く見られないが、殆どの堆積岩や塩基性火成岩類、緑色岩を主とする変成岩など、良質の水石を形成する岩石の種類は豊富である。

残存曹長石脈の白い紋様石 ~ 高さ約9cm ・1月29日に揚石

 石質の良さに加え、奇石( 奇形石 )や紋様石、形象石などもいろいろと産するし、「異剥石」の巨晶など転石中の鉱物も見逃せない。 この日は約1時間見回っただけなので、大した収穫はなかったが、一応目にしてきた水石となる岩石と鉱物を列記しておこう。

神足石( 中央 ・ 長さ約8cm )とその類似礫 ~ 1月29日に採集

朝熊石の 「三稜石」( 横幅約12cm )~ 1月29日に採集

 ◆ 水石となる岩石 朝熊石(蛇紋岩等の風化岩)、伊勢青石(角閃岩)、伊勢赤石(赤チャート)、紫雲石(輝緑凝灰岩)
 ◆ 奇石(奇形石) 神足石、三稜石
 ◆ 紋様石(緑色岩に伴う残存曹長石脈)
 ◆ 鉱物 石英(水晶 ~ チャート中の分泌石英脈中)、二酸化マンガン鉱、含マンガン赤鉄鉱、鉄石英(赤玉石)、
   磁鉄鉱(塩基性岩中)、曹長石、方解石、緑簾石、異剥石(塩基性岩中)

斑糲岩の転石中の 「異剥石」( 約2cm )~ 2023年1月29日に採集

 
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