語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

創作「伯耆抄」 ~「語られる言葉の河へ」開設1周年~

2011年01月29日 | 詩歌

   國引の神代の岬かすみたる

   夕卯浪糸垂るる人も泡の中

   泡ひとつ吐いてしづまる山女かな

   頂上へ千歩残して夏の霧

   往くべきか止まるべきか青蜥蜴

   山椒魚明日歩き出すかもしれぬ

   大群衆おまはりさんと花火待つ

   銅鑼の音に船うごきだす祭かな

   ベルイマン逝けり孤島の夜の秋

   田より煙まつすぐ伸びて雁の空

   干柿や農家おほかた深庇

   日当たりのよろしき客間秋簾

   釣天狗したがふ小天狗南洲忌

   それぞれにちがふ風吹きねこじやらし

   売られゆく牛の遠目よ秋旱

   冬の坂みな行くあてのあるごとく

   家一つ更地となりぬ寒昴

   神留守や鋭角にさす注射針

   異国めく村に入りけり霧襖

   熱に臥す闇しんかんと雪女郎

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