「ペンタゴン・ペーパーズ」につづいてスピルバーグ監督作品。二日つづけてスティーブン・スピルバーグの新作を観ることができるなんて、生きててよかった(アップ遅れたんですけどマジで二日続けてです)。というか、あの人はどれだけ勤勉なのかなあ。
ただし、オープニングからしばらくは困惑。いったいこの映画って何なんだろうと。どうやって味わえばいいのかわからない。
いやストーリーはいたってシンプル。荒廃した近未来、人類は現実の不幸から逃避するために、オアシスと呼ばれるVR(ヴァーチャルリアリティ)の世界にどっぷりとはまっていた。スラムで鬱々とした日々を過ごすゲームオタクのウェイドは、オアシスのなかではパーシヴァルというアバターで、オアシス創業者(マーク・ライランス!)が遺した“イースターエッグ”を探し求めている。ゲーム内では、エッグをめぐって熾烈な競争が行われていた……
頭ではストーリーを追えても、この過剰さはいったい何だと面食らいまくり。3Dで観たこともあいまって気持ちが悪くなるほどのCGの嵐。
「AKIRA」の金田のバイクも疾走するレーシングゲームのゴールではキングコングが現れ、バトルフィールドではガンダムとメカゴジラが一騎打ち。
「エイリアン」のチェストバスターや「シャイニング」の斧、「市民ケーン」の合い言葉まで登場する映画ネタのオンパレード。ひええ疲れる。
要するに
「オタクだって現実を救済できるんだ」
「オタクはオタクのままでいいんだ」
という癒しの物語なのだけれど、ここまで過剰に描かなければならなかったのか。それ以上に、こういう映画をなぜスピルバーグ本人が監督しなければならなかったのかがわからない。いつものように製作総指揮でよかったはずなのに。
あ、そうか。スピルバーグ自身が大いなる映画オタクなのだから、こんな楽しい映画づくりを他の連中にゆずってたまるか、ってことだったんだね(笑)。
いやはや、キャラの著作権料だけで何本の映画が作れたことか。おっとぉ、トシロウなんて侍アバターまで登場したんだから、三船家にはさぞやお高いおみやげを持って挨拶にいったんだろうなあ。
それから音楽は泣けます。わたしの世代の曲が満載(なんでだろう)。ヴァン・ヘイレンに始まり、ホール&オーツに終わる選曲に絶句。
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