9月の酒田港座上映会(24日と25日です)では、お待たせ「スティング」をお送りします。
ジョージ・ロイ・ヒル監督、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードという、「明日に向かって撃て!」のトリオがふたたび集結し、悪玉ロバート・ショウだけでなく観客をもひっかける詐欺映画。おなじみのラグタイム「エンターテイナー」が象徴する、余裕ある機知とユーモア。
当時のロバート・レッドフォードは、誰もが認めるようにブラッド・ピットそのものですが、それ以上にポール・ニューマンの匂い立つような色気がすばらしい。皮肉に顔をゆがめながらも、みんなに好かれてしまうろくでなし。こんな役は彼でなければ。合掌。
※この映画はきちんと章立てされており、それぞれに小粋なタイトルがついています。ラストパートが“The Sting”(蜂がチクッと刺すこと。とどめ)。高瀬鎮夫という往年の名字幕担当者がそれを「最後に、ぐっさり」と命名(いまは違う訳がついていると思います)。さすが「ダーティハリー」を「お不潔ハリー」と訳した人は気合いが違いますね(笑)
※ちょっとネタバレですが、この映画には悪女がひとり登場します。若いときには「な、なんでこんな××(自粛)な女が……」と絶句しましたが、今はわかります。ええ、わかりますとも。
※公開当時、この作品がアカデミー賞を総取りしたことには批判もありました。ノスタルジーにひたるような「スティング」よりも、先鋭的な「エクソシスト」にやるべきではなかったか、と。荻昌弘という、それはもう高名な映画評論家は特に。それもわかります。冬枯れのワシントンで起こる惨劇をクールに描いたあのホラーもわたしは大好き。マービン・ハムリッシュの穏やかな音楽と、マイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」は確かに好対照。でも、やはりそれが70年代という時代だったのでは?みんな、60年代の狂騒に疲れてたんだと思います。
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