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「グリーンハウス再建計画」ページ5でふれたように、シネコンはまず郊外に建設され、のちに都市部に浸透する流れになっている。海老名などのベッドタウンにおけるワーナーマイカル→六本木ヴァージンシネマが代表的。
ところが今回のムービーオンの動きは、まさしく逆。駅ビルにソラリスが入居して、メジャーなシネコンの進出を阻んだと思ったら、なんと地元企業の連合体(八文字屋書店・山形ケーブルテレビ)の方が郊外に進出という形になるわけだ。
はたして、新シネコンとソラリス=フォーラムグループは両立できるのだろうか。ちょっと過去をふりかえってみよう。山形市で映画館を主に経営していたのは宮崎合名社。しかし映画人口の減少とともに松竹や日活などの直営館が次々に姿を消し、宮崎合名社もソラリスの出現にとどめをさされて県内の興行から撤退する(秋田などではシネコンを経営している)。つまり、山形では既存館とシネコンが同時に成立したことがほとんどないのだ。さて問題は、シネコン+シネコンは成り立つのかだ。ムービーオンが目をつけた(ソラリスも同時に目をつけていたのは不良主婦のリポートにあったとおり)島地区の再開発の行方にもよるが、二十億円という巨額の設備投資をクリアできた時点で、映画の興行が“商売になる”と判断されているのはまことによろこばしい。
だから微妙なのは、設備としていまひとつであるソラリスの方。かつて宮崎合名社や酒田港座が撤退せざるをえなかった二の舞にならない保証はない。生き残るための絶対条件は、言うまでもなく「映画人口を増やす」これだけだろう。
コンテンツ事業である映画は、いまやあらゆる業種から注目される花形産業と化している。しかしそれが花開く前にソラリス=フォーラムが撤退する愚は避けなければ。あのグループには、まもるに足る価値が確実にある。映画都市山形の読者諸君、映画館の未来は、そして映画の未来はあなた方の双肩にかかっている(笑)。少なくとも月に一回は映画館に行け!何度も言うけど、芸術は“他者とともに鑑賞する”ことが必要なんだぞ!
画像は、ムービーオングループが長期上映にこだわった「松ヶ根乱射事件」。なーんだ、わかってるスタッフもいるんじゃん。
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