「バタアシ金魚」が公開されたのは1990年。もうあれから25年もたつのかぁ。
監督はこの作品がメジャーデビューだった松岡錠司。むちゃくちゃな求愛行動の一環で、カナヅチのくせに水泳部に入るカオルくんにやはりデビュー作だった筒井道隆。彼のマドンナ、ソノコにこれまたほぼ新人の高岡早紀。さまざまなことがあったけれど、この三人はいまだに現役でがんばっている。
そして今回、まさか映画化されるとは夢にも思わなかった「深夜食堂」で再結集。長生きはするもんだ。
映画になっても恐ろしいくらいに世界観がテレビのときといっしょ。松重豊はタコさんウインナーを食べているし、お茶漬けシスターズはあいかわらず他の客たちの人生に興味津々だ。変わっているのはオダギリジョーの役柄ぐらい。いつもピーナッツをならべて呑んでいた謎の男が、今度は駐在さんになっていて笑わせてくれます。
映画はみっつのエピソードからなる。
【ナポリタン】
愛人を亡くしたお妾さんに高岡早紀。純情な青年(柄本時生)と同棲を始め、しかしその関係をみずから壊していく。あの健康を絵に描いたようなソノコが、薄地のフレアースカートで若者を翻弄するたくましい女性に。ああ長生きは……
【とろろご飯】
多部未華子がわけありの料理人に。このエピソードはひたすら泣かせる。ほとんど何も語らないマスターの凄みが、小林薫によって増幅されている。このドラマの人気の秘密はここですかね。
【カレーライス】
震災で妻を亡くした男(筒井道隆)は、ボランティアの女性に求婚するが……あのカオルくんが、ちょっと無遠慮で甘えん坊な東北人を絶妙に。彼はほんとうにうまい役者になっている。そしてラスト、小林薫といえばこの人がいなくちゃ、ということで向田邦子&久世光彦の作品群でおなじみ、田中裕子が登場し、怪演で場をさらっていく。
……いやー面白かった。泣いた泣いた。あまりに面白かったので、実はもう1本見るつもりだったけれどスルー。罪な映画。
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あれが芸になる女優って今では樹木希林と
彼女だけって感じ。
あ、意外に綾瀬はるかもいけるかも。
あの人は天然でやるんでしょうけど。
でもこれはなかなかの作品でしたよ。
セリフがこなれていないとかの欠点はあるとはいえ、
わたしも多部未華子の身体の匂いをかいでみたいと
思いました(中華屋の店員がオダギリジョーの
身体の匂いをかぐシーンにはみんな爆笑でした)。
料理のうまさを見せるのも、映画の重要なテイストだと思いますです。
あとは、田中裕子だな。
鶴岡まちなかキネマでも3/14から上映します。
「アゲイン」「マエストロ!」と梯子鑑賞した際、
スタッフに「深夜食堂」について質問する
お客さんがいましたね。機会見て鑑賞します。
因みに「アゲイン」、目の汚れが全て流れました…