事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

日本の警察 番外編 お巡りさん早く!

2008-01-03 | まち歩き

 交渉がおわって県庁を出たのが11月27日午後8時。気温が低くなっていたので月山越えは断念して新庄経由で帰ることにする。尾花沢~新庄道路(将来は東北中央道に昇格する予定。現在は無料供用中)を突っ走り、47号線と合流したのは9時ちょっと前のこと。

ドンガラガンドラドォーン!

「?」

MDを大音量で鳴らして走るわたしですら驚くほどの音が。
前方にトラックが見え、缶詰めなどの荷物が道路に散乱している。後続の乗用車3台(わたしのゴルフ含む)がハザードを出して急停車。横転でもしたのかと思ったら、安全地帯で駐車していた大型トラックの側面に、荷物を満載したトラックが追突したのだった。

Jiko2  双方の運転手ともに怪我はない様子。それどころか追突した方の運転手(30才ぐらいの男)はすでに携帯で電話をかけまくっている。われわれ目撃者の男三名は、このままでは車両が通行できないと路上に散乱した缶詰めを足で蹴り続けた。

「なんかね」
直後に走っていた目撃者(20代ヤンキー兄ちゃん)は蹴りながら語る。
「おかしいと思ったんですよ。47号に入るにしてはほとんど直前まで曲がらないし、さっきの高速でだってどうも不安定だったんです。で、前にトラックがいるのに回避しないなあと思ったらドーン!ですから」
「へー、そうなんだ」
「それにね……どうもこういうの初めてじゃないらしいんですよ」
「え?」
そのとおり。おそらくは会社に電話している加害者の運転手は、小声で
「すいません。またやっちゃいました」と。おいおい。

 被害者の方は新潟の小千谷から陸送の途中。われわれ三名に、
「あんたたち、寒くないかね。オレはたまらんからクルマにいるよ」ほとんどふて寝。
 コートを着ていないわたしも寒くてかなわない。早く警察来ないかな……。
 
「あ、来ましたよ」
やってきたのは警察ではなくて救急車。
双方の運転手に「ふらついたりはしませんか?」などと質問している。無事を確認すると「じゃあ、救急隊は帰りますから」とあっさり。

われわれ目撃者たちはすることもないので、寒いなか缶詰めを蹴り続ける。帰りたくもあるけれど、市民としては目撃情報を警察に伝える義務があるだろうし、なによりわたしの場合は「日本の警察」シリーズのいいネタになる(笑)とこの時点で既に考えていた。

「でも、もめないよねこの事故は」とわたしたちは話し合う。
「片方は駐まってたわけだし。」
「いや、そうでもないはずですよ」と2台目の目撃者(30代ロン毛のお兄ちゃん)が。
「そうなの?」
ハザードをつけてても、こういうところに駐めておくのはまずいんですよ」
そうなのか。新潟の運転手もいい災難である。「荷物が濡れたら売り物にならないんだよなあ」と嘆いていたし。

 20分ほどして、ようやくパトカー到着。警官三名。
「えーっと、目撃者の人は……ああ、あんたたちね。ところで、何キロぐらい出してた?」と1台目の目撃者に。たのむぞ青年。言っちゃいけないことはわかってるな。
「合流してすぐですから……40キロか50キロぐらいですかね」ナイスだ青年(^o^)。
「ちょっと免許証貸してもらえますか?」
パトカーのなかにコピー機があるのだろう。免許証がコピーされた感熱紙にそれぞれの電話番号を記入し、意外にあっさりとわたしたちは解放される。こんなに寒いなか、あんたたちを待ってたんだからもっと何かないのかよ。いいぞ取調室まで行っても。取材を兼ねて(笑)。

「じゃあ、失礼します」
加害者に声をかける。被害者の方は聴取されていたので。
「あ、どうもありがとうございました」
これから色々たいへんだろう。車体には酒田の会社名がペイントしてあったので他人ごとのような気がしない。
「じゃ、ご苦労様でした」
「どうもー」
目撃者組はお互いにあいさつをかわしてクルマにもどる。ふう。長い夜になった。けが人も出なかったので、翌日の新聞にもこの事故が載ることはなかった。そんな“無名”の事故現場では、常にわたしのような無名の目撃者や当事者が、警察を待ち続けている……。

※画像がわかりにくくてすみません。寒くて震えながら携帯で撮ったんで。ていうか、じっくり撮るのってなんか失礼なような気がして(はっきりと失礼)。

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