第40回「罠と罠」はこちら。
……というタイトルなのだから、和田義盛(横田栄司)に罪はないけれども、そうはいかないというお話。世に言う和田騒動。北条義時(小栗旬)にほとんどはめられたような形で謀反を起こす義盛。まわりの99人マリオは意気軒昂だ。
そこを、大人である義時と三浦義村(山本耕史)と、オトナだかなんだかよくわからない八田知家(市原隼人)が迎え撃つ。
義は明らかに和田の方にあって、だから鎌倉殿は彼を救おうとするのだが……
ここから、父親の専横に抗おうとする義時の息子たちのドラマが。長男の泰時(坂口健太郎)は父親へのいらだちもあって酒浸り。しかし戦時には圧倒的なセンスを見せる。まるでローマ史劇のような展開はうれしかった。
問題は次男で、弓矢を自分の腿に刺して戦場を離脱する。女のあつかいといい、最低の野郎ではある。それを父親は激怒しているけれど、兄はある程度理解しているみたい。アル中であるわたしも彼の気持ちはちょっとわかります。自分よりもっとダメなヤツがいてくれる方がいい(笑)。
さみしいのは、今回で巴御前(秋元才加)が退場するだろうこと。でも、最後に大見得をきる場面が用意してあってうれしい。っていうか全体的に今回は昔の時代劇を意識してるみたいでしたね。大江広元(栗原英雄)があんなに強かったなんて。後の彼を考えると山形県人としてはうれしいけど。
さて、鎌倉殿は御家人たちを見限って後鳥羽上皇に向けてこの歌を送る。
山は裂け 海は浅あせなむ 世なりとも 君にふた心 わがあらめやも
君が代か、といいたい内容で、それがあの決戦につながる。
第42回「夢のゆくえ」につづく。