事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「東京バンドワゴン~下町大家族物語」(2013 日本テレビ)

2021-12-31 | テレビ番組

「隠れの子」を特集したときにふれたように、わたしは小路幸也の東京バンドワゴンシリーズからしばらく遠ざかっていた。登場人物たちの“いい人っぷり”があまりに強烈で、息苦しく感じられるくらいだったから。

特に語り手である幽霊になったお祖母ちゃんは(幽霊だからではなくて)怖くなるほど優しいの。いい人コンテストがあったら全国優勝まちがいなしだ。

そんな東京バンドワゴンは日テレでドラマ化されている。脚本はまたしても大森美香さん。というか大森脚本だから見ることにしたんですけどね。

舞台は下町の古本屋、東京バンドワゴン。主役の青(あお)に亀梨和也、その相手役に多部未華子。おいおい、お気に入りのこの二人が出ているのに、どうしてオンエア時に見ていなかったのだろう。

で、例のお祖母ちゃんは加賀まりこ。「梅切らぬバカ」でそのうまさを再認識したばかりだったのでうれしい。

伝説のロッカーである青の父親のモデルは矢沢永吉内田裕也だろうが、このドラマでは玉置浩二が演じている。

これがよかった。

常に「LOVEだねえ」でことを済ませる彼を、日本でいちばん歌がうまい(誰も否定できないでしょう?)玉置が演じることで、LOVEのこめられた歌がこのドラマの基調音として常に鳴り響くことになった。エンディングテーマ「サーチライト」は名曲(第一回目には安全地帯の面々が特別出演しています)。

原作のミステリ風味は(意図的にか)後退し、サブタイトルどおりに「時間ですよ」や「寺内貫太郎一家」的な人情ものとして大森さんは遠慮なしに泣かせてくれる。わたしは堪能したが、視聴率が伸びなかったのはなぜなんだろう。

出演は他に美村里江(当時はミムラ)、平愛梨(長友の奥さん)、そして実はいちばんの名探偵である長男の紺(こん)役で金子ノブアキ。いい味出してます。え、この人って金子マリとジョニー吉長の息子だったのっ!

コメント
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