事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

真田丸 第十二回「人質」

2016-03-27 | 大河ドラマ

第十一回「祝言」はこちら

前回の視聴率は15.6%とまたしても下がっている。BSでの人気があるとはいえ、どうもお茶の間で受けいれられていないのだろうか。よく考えてみれば、大河ドラマなのに合戦がほとんどなく(合戦のふりだけ、ってのはありましたが)、腹黒いオヤジたちの面従腹背の連続だからなあ。

NHKもそのあたりはわかっているようで、やけに戦闘的なシーンを予告篇に仕込んでいるけれど、でもやっぱり今回も腹黒いお話でした。

まだしもシンプルなのは女性たち。いまは側室の梅ちゃん(黒木華)ときり(長澤まさみ)の比較ですんでいる。うぜーとネットでも評判のきりちゃんは、しかし腹黒いお話を視聴者視線でぶった切る貴重な存在だ。解説者として絶対に必要。むしろ、女子力が強く、精神力で妊娠までしてしまう(笑いました)梅ちゃんの完璧さの方が怖い。

信繁ならずとも魅了されたのは上杉景勝(遠藤憲一)。義父である謙信を尊敬し、同じように義のために戦い、領民のために心をくだく……しかし現実は疲弊した上杉家を守ることに汲々としている。テレビの前で全国のお父さんたちは「うんうん。そうなんだよなー」と彼に心を寄せたはず。うんうん。

わたし、彼が主人公だと思っていた伊東潤の「北天蒼星」(角川文庫)を読んだら、なんと景勝と直江兼続によって死に追いやられた景虎のお話だったことにラストでようやく気づいて愕然。日本史音痴にもほどというものが。

景虎の立場からすれば、景勝と兼続はかなりあくどいことをやっているようだけど、しかし北条の血でありながら、上杉家らしく原理主義者で理想家すぎたのは景虎の方だったみたい。お勉強になりました。

まるで水戸黄門かと思うような展開で領民の不平を一掃する信繁と景勝。

「お主のような息子がほしかった。」

世のお父さんたちをまたしても泣かせてくれます。うんうん。

さて、いよいよ上田合戦が始まる……ように見えておそらく腹黒合戦でひっぱるんだろうし、今回の視聴率はまたしても15%台と読みました。

第十三回「決戦」につづく

コメント
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