その流麗な画像に圧倒される。一応、アクション映画の範疇に入るのだろうけれども、もはやウォン・カーウァイの狙いはそこからはるかに離れ、一瞬一瞬の描写が登場人物たちの心象風景を象徴するというゲームに淫している。だから観客は怒ったのだろう…………でもすごく好きな映画だ。
のちの○○、のちの××たちの若きころという英雄譚でもあるので、まるで大河ドラマのようにも見ることができる。そしてまた性懲りもなくオールスター映画なのである(レスリー・チャン、レオン・カーフェイ、ブリジット・リン、トニー・レオン、マギー・チャン、カリーナ・ラウ)。すばらしい(笑)
特に感じ入ったのは、同じ漢字圏の人間として、漢字には強い力があるんだなとオープニングから思い知らされるあたり。絶対にそれも計算に入れているぞ。アクション指導はサモ・ハン・キンポー、撮影はもちろんクリストファー・ドイル。文句なし。