hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

小川糸『喋々喃々』を読む

2010年02月05日 | 読書2

小川糸著『喋々喃々(ちょうちょうなんなん)』2009年2月、ポプラ社発行を読んだ。

宣伝文句はこうだ。
東京・谷中でアンティークきもの店「ひめまつ屋」を営む栞(しおり)。きものを求めるお客ばかりでなく、ご近所さんもふらりと訪れては腰を落ち着ける、小さなこの店に、ある日、父とそっくりの声をした男性客がやってくる。その人は、栞の心のなかで次第に存在感を増していき――人を大切に思う気持ち、日々の細やかな暮らしが、東京・下町の季節の移ろいとともに描き出される、きらめくような物語。
谷中・根津・千駄木近辺に実在するお店や場所も多数登場し、街歩き気分も楽しめる作品。『食堂かたつむり』で鮮烈なデビューを果たした小川糸の第二作。

【喋々喃々(ちょうちょうなんなん)】男女がうちとけて小声で楽しげに語りあう様子。


ゆったりと話は進み、登場人物の行動も奥ゆかしく、舞台も情緒あふれる東京・下町の古めかしい小説だ。谷中、根津、千駄木エリアの老舗居酒屋、カフェ、鳥鍋屋などが実名で登場する。
主人公の栞は小さなリサイクル着物店をやっていて、自身も取っ換え引っ換えTPOに合わせた着物を着る。こった料理の作り方もくわしく説明される。
何もかもがしっとりと落ち着いていて、古めかしくアンティークな小説だ。



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

話は、いつもの不倫もので、女性はこのままで良いと思っていても、やがて・・・。そして、彼はいつも限りなくやさしく、床上手だが、家庭第一の原則はけして崩さない。

生活苦は少しも感じられず、向島百花園での月見の会や、有名店を食べ歩くなど優雅なお楽しみが続く。



この作品は「asta*」2008年5月号-2009年2月号に掲載されたものに大幅加筆修正したもの。

小川糸は、1973年生れ。山形市出身。著書に絵本『ちょうちょう』、小説『食堂かたつむり』はベストセラーとなり映画化。その後、本書と、『ファミリーツリー』。
浜田省吾がメロディを作るfairlifeという音楽集団で、作詞を担当、編曲はご主人で、ミュージシャンの水谷公生。ホームページは「糸通信」。






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