hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

『ヘビ』を読む

2010年02月07日 | 読書2

大谷勉著『爬虫類両生類ビギナーズガイド ヘビ』2009年12月、誠文堂新光社発行を読んだ。

表紙に、「飼育をスタートする時に必要な情報が満載!」とあり、英語で、”The Vivarium Book of Beginners” とある。Vivariumは辞書によれば、「観察・研究用に自然の生育状態に模した動物の飼育場(室、箱)」とある。

ほとんどの人がヘビは嫌いだと思うが、中にはヘビが可愛い、きれいと思う人がいるのだろう。怖いからこそ、自慢したいから飼う人もいるのだろう。

以下、面白いと思った事をご紹介。

ヘビはアゴを外して大きな獲物をくわえ込むと思っていたが、実際は、普段寝かせた状態の方骨が上下のアゴの間にあり、方骨を立ててさらに大きく口をあけるのだという。

アゴは左右に分かれていて、上下とも前後左右に別々に動かせるようになっている。片側のアゴと歯で餌を固定し、もう片方のアゴを前に出して餌をひっかけると同時に、最初に固定していたアゴを外し、これを繰り返すことで餌を喉へ送り込む。

ヘビは大きな餌を飲みこみ、身体の自由が利かない時が最も無防備な状態になる。その時、外敵に会い、たまたま逃げられないと、口を大きく開け、胃の後方から身体を思い切り逆蛇行させ、一気に消化中の餌を吐き出し、自由になって攻撃したり、逃げ出したりする。

ヘビの尿は排泄されたときこそドロドロしていますが、空気に触れると数分で白い固形物になります。多くの人は、これを白い糞と見間違えています、このヘビの尿は純度約96%の尿酸で、ヘビは摂取した水分も体内で徹底的に利用するエコ動物ともいえます。

ヘビを飼育する際、・・・どうしてもヘビを取り扱うシーンが出てきます。・・・上手に扱わないとヘビが暴れたり、場合によっては咬まれてしまうこともあるかもしらません。ヘビにストレスを与えることにもなり、ひどいと拒食してしまう場合もあります。

(ヘビの持ち方が写真で説明される)



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

ヘビを怖いと思うのは、子どもの頃に親などから教え込まれたことが原因だと言う。何も言わずに2歳の子どもにヘビを与えると、何の抵抗もなしに遊び始めるという。ともかく、まずは正しい知識を持つことが必要なので、ヘビ好きな人はもちろん、嫌いな人も怖いもの見たさでこの本を眺めてみるのもいいかも。

ヘビの餌は、マウス、ラット、ヒヨコ、餌用ヤモリの生餌か、冷凍、あるいはウズラの雛、餌用カエルの冷凍などだ。家庭の冷凍庫に入れるので、あらかじめ家族の了解が必要とある。これはかなり困難で、餌専用の冷凍庫が必要だろう。

私が子どもの頃は、夜になると天井をネズミが駆け回っていて、あまりうるさくなると、ネズミ捕りなどで捕獲していたものだ。最近、一般家庭でネズミが増えてきたとの話を聞いたが、猫がねずみを取らなくなったので、アオダイショウなどを飼うのがいいかも。



大谷勉は、2003年高田爬虫類研究所沖縄分室の名を継承し、独立。沖縄の風土にこだわり、その中で種々の爬虫類の繁殖に力を入れている。著書は、『ビギナーズガイド カメ』など。




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