ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

現身(うつしみ)の術?

2011-01-27 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
グイと右腕を引っ張られ、前のめりになり、
乙和「あららぁ。痛そっ」と腕を捲し上げられた。そこは義隆が能子の腕を強く握った所で、皮下で出血し(内出血)、青アザ(打撲傷)が出来ていた。
乙和「あぁあ。芸の能処(よりどころ)にアザつけちゃって」と義隆をキッと睨み、
義隆「う゛(怖っ)…あ゛…ご、ごめんさない」と謝った。
乙和「誰に謝ってるんだい?怖いから謝るのかい?それって、心から悪いと思って謝ってるのかい?子供が大人を化かすんじゃないよ。シャッー!」
義隆「ヒィ!(口がさっきより割けたぁ!)」
能子「わ、私が悪いのよ、義隆は悪くないの!」
乙和「アンタも!芸を志し、それに精進する者、カッとなってどうするのさ!」
能子「え!?」
乙和「あのお面ヒーローに礼言っとくんだね。青アザじゃ済まない所だったよ」
能子「(サブ…)は、はい。そうします」
乙和「あらっ」と患部に手を当てナデナデして「意外と…素直ね」と能子の右腕を放した。
ナデナデされ、うわぁっと鳥肌立った自分の腕を見たら、
能子「わぁっ!!ア…アザが消えてる!?」
乙和「フッ」と不敵に笑った。
葛葉「ほらぁ、いきなりそれやるからビックリしてるじゃない」
弁慶「もしや、それが現身(うつしみ)の術ってやつか!?人の厄災、病や傷を代わりに受けてくれるって…」
乙和「そんな妖術じゃないわよ!それに、それしたら、私が痛い目みるじゃない!!ヤよ!」
能子「これ…白粉(おしろい)ね」
乙和「ピンポーン。舞台俳優や芸者、舞妓らが塗たくってるのと同じやつさ。蜜蝋を練り込んだ白粉(成分は澱粉です)で現代版ファンデーション ケーキって言っても…」弁慶と義隆を交互にチラッチラッと見て「男には分かり難いな。つい先日、西廻り船※で運ばれたもんさ」
弁慶「船…(あの船か…サドガシマンのライダースーツ…)」
※日本沿岸の各港から関門海峡から瀬戸内海を経て堺に向かう航路です。後に北陸経由蝦夷(北海道・樺太)行まで航路が出来、北前船となりました。また、太平洋側の出羽から津軽→北陸を通って堺そして三河・駿河方面に入る航路を取るのが東廻り船です。
能子「確か…口紅の原料…『最上紅花』って…有名ね」と胸に手を当てた。


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