ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

潜む病

2011-01-24 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
能子「えぇ。幼い義仲を武蔵(埼玉)比企 嵐山(らんざん)で預かっていたって話よ」
弁慶「チッ。また、あの尼※絡みかよ」※郷御前の祖母で比企(ひき)尼。
能子「それは分からない…。比企尼は頼朝の乳母…今はその子供たちの面倒も見ているはずよ。もうすでに政権は頼朝の手中にあるのよ。頼朝は義仲と不和決裂して義高を殺してるんだし…そう考えれば、征夷大将軍まで登りつめていながら謀反を起こし失敗、粟津の戦いで没した義仲の代わりに、世間知らずで世渡り下手な兄上に目を付け、娘を送り込んだって考える方が普通じゃない?」
弁慶「妹にそこまで言われちゃなぁ世話ねぇな。それにして、娘ら(巴 山吹)を義仲の嫁にして、次は義経の嫁か…女を何だと思ってんだか」
能子「あら。優しい事言うじゃない。でも、仕方ないわ。女は戦略政略の道具でしかないわ」
弁慶「…巴は和田(頼朝)の妾、山吹は病気。頼みの綱は養子に出した葵だけってか」
能子「山吹と葵を取り替える策に出た…」
弁慶「でも、どうやって…?」
能子「養女に出すくらいよ。縁故関係有り、か…同じく政権奪回が目的で、両家の同意の下に交換したと思わない?話の辻褄を合わせるために、山吹と葵は伝書鳩を使って、お互いの内情を連絡取り合っていた、と考えれば…」
弁慶「ユキオンとクニオンか…」
葛葉「八鳩信仰の…熊谷直実(くまがい なおざね)がクニオンを郷御前…山吹に託した…」
能子「熊谷と比企と養子縁組してる…比企尼とは親戚関係よ」
弁慶「どうもあの比企が絡んでくるな」
義隆「ねぇ、母上(葵)は…大ちゃんと文通してるって言ってたよ」
弁慶「大ちゃんって、頼朝の娘 大姫※か」※頼朝と北条政子の実子で、頼朝と義仲の和睦のため、義仲の子 義高(11歳)と大姫(6歳)と結婚(1183)。義高は鎌倉で過ごしていました。いわゆる、人質です。その翌年、義仲と不和決裂し離縁した。大姫はその事をひどく気に病み、臥せがちだったとされます。
義隆「うん、ほんとの母上と同じで大ちゃん…クラクラして高い熱出て、咳が出るんだって」
葛葉「!?」
弁慶「義仲の死後、山吹も同じ病…」
能子「心の病気とか…かな?」
葛葉「…」無言で、考え込んでいた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。