ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

葵紋

2011-01-08 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
匠「じゃ、そん時?」
賀茂女「ん。松平のお殿様と話してた。それにさっき忍者って言ってたでしょ。松平の裏に伊賀忍の棟梁…ほら、富山出身の漫画家でタイトルそのまんまの有名人がいるでしょ!」
匠「富山出身!?」有名人?タイトルそのまんまって?
賀茂女「青い布を巻いてて顔は見えなかったけど…。お殿様に”反物”見せていたわ」
匠「青い布!反物って呉服屋?」昔、売薬と同じく笈(おい)に反物を入れて各地売り歩いて、
賀茂女「うん。そのほとんどが忍者よ。普通なら奥方や姫君に反物を見せるはず…」
匠「青い布…」ふいに2年ほど前から行方不明となっている兄 輝の事を思い出し、急に不安を覚えた…が、「ま、兎に角…修行しよ、修行♪」とおちゃらけてその不安を隠したから、
賀茂女「“何か”知ってるのね!」と問い詰めたら、
匠「なんでもないよ!火鷹ぁ~」と修行に戻ってしまった。
賀茂女「もう!肝心な所でぇ!!イライラする!!…それにしても、義経さん。皆伝書で何を聞きたかったの?」うぅ~んと悩んでいたら、黒栖くんが呼んでもないのに飛んで来た。
匠「ほら、黒栖が心配してるよ。悩まない悩まない♪」ブス顔になるってよ。
賀茂女「っるさいっ!…黒栖ぅ、ありがとぉ」と黒栖の首を撫でた。
その疑問の残した義経は…というと、下山しながら松尾さんとおしゃべり中である。
義経「松尾さんが賀茂女怖がらせるから聞きそびれちゃたじゃねぇか!」
松尾「俺のせいか!?勝手に怯えたんだろうが!」
義経「まったく!」
松尾「…で、何聞くつもりだったんだ?」
義経「あぁ。皆伝書に光を当てると透かし紋様…葵の葉っぱが浮き出てくるんだ。

これって確か、与一の母方の紋だったような気がして…」と与一の名を出して泳がせてみたら、
松尾「新田か…与一の母親が新田源氏で葵紋…」と見事に釣れた…。
義経「さっき、皆伝書に松平ってあったろ。新田の家臣に松平がいるんだ」
松尾「…ふぅん…」と唸りながら、眉がピクリと動いた。
義経「与一と親族関係かなっと思ったんだが…」
松尾「でも、京の太秦辺りの出なら、あの紋を持つ奴多いだろ」
義経「太秦…そういえば、松尾さんって伊賀の出身だよな」
松尾「あぁ。そうだけど…何か?」
義経「いやなんでもない。それより、与一の実家を探ってたな」ほれ、日記に書いてあった。