ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

いらっしゃいませ!

2011-01-19 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義経「(二名様ぁ御~案~内?)」とひょこっと立ち上がり、松尾の後姿を確認「牛のおっさんと知り合いか?…おっと、いっけねっ」と菜箸を洗って、テンプラを油から上げた。
ちっと揚げ過ぎ狐色になったが…まぁご愛嬌。
松尾らは奥の奥座敷に案内され、
松尾「今朝方、女将さんに会ったよ。キレーな方でうらやましいなぁ」
基治さん「確かにキレもんだ。うらやましいかどうか連合いになってみんと分からん、こちらです。どうぞ」と招き入れ、パタンと戸を閉じて密室にした。その密室内では、
牛さん「今日、その女将は?」
基治さん「…酒田です。友人を追って走ってった…」走るのが速いですよ。
松尾「そうか、残念…。弁当のお礼を言いたかったんだが…」
基治さん「弁当?…伝えておきますよ」(コトッ)と箸とお通しをお出しして「さて、何になさいますか?」
牛さん「まず、酒だ。燗で頼むよ。それと…何がお勧めかな?適当に見繕ってくれ」
基治さん「政宗一本…と」メモして、スクッと立ち上がり、戸をゆっくり開け、クルッと振り返り「御用の際、そちらをお使い下さい」と左 人差し指でそちらを指し示し「では…」パタンと戸を閉めた。
基治さん「ダンダンダダン、ダンダダーン」と厨房に戻ってきた。
義経「てんぷら、揚がったよ」
基治さん「政宗 一本 燗…な」と左手の人差し指で天井を指し示した。
義経「あぁ(…糸電話?)」とヤカンに湯を沸かし、政宗を銚子に入れ燗セット。
基治さん「酒を見とくから、裏にある暖簾、掛けてこい」ともうここの親父気取りで、
義経「あ…い(いのか?)」と思いつつ、成り行きに任せで暖簾を取りに裏に回って、表に行って居酒屋の看板[定休日]をひっくり返しクルリンと[営業中]にした。
外はもうすでに真っ暗になっていたので、ムジナと書かれた提燈に明かりを灯した。その灯に誘われ暗がりから人がたくさん出て来て、
義経「(お客さんだ!)」とペコッと深々頭を下げ「いらっしゃいませ!」と篤く丁重に持て成し、フット(足)見たら「(ゲッ!こいつら全員…黒脛巾組の奴らだ!!)」と分かった。
着物の裾が肌蹴た拍子にチラッと見えた弁慶の泣き所(脛・急所)…黒い布が巻いてある。これが黒脛巾組の名の由来だが、お客様はお客様「(それに…伊賀忍 V.S黒脛巾組…見たい気がする)」と笑顔で伊達忍者軍団 黒脛巾組を招き入た。