ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

二代目 服部

2011-01-10 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義経「伊賀の出で松尾…どうみても服部(呉服屋)には見えんが、いいもん着てる。羽振りがいいのか、見立てがいいのか、目利きがあるか…どうだろう?」
松尾「まぁ、安もんじゃないわな」と着物を自慢したから、
義経「自慢話を聞きたいわけじゃない。俳句でそんないいもん買えるかって聞いてんだ」
松尾「俺くらい有名になればお殿様主催の歌会にお呼ばれして、たんまりご褒美貰えるんだ」
義経「“歌だけ”のご褒美で、そんなたんまり戴けるとは思えないがね」
松尾「お殿様の心掴むのが上手いんだよ。俺は」
義経「どんな俳句で殿様を釣ってだか…」簡単に釣られる殿様も殿様だ。
松尾「…なぁ、それにしても、こいつら重っ。何とかして…」くれと頼もうとしたら、しがみ付いたまま寝てやがった…。
義経「緊迫感の薄い鬼で隙だらけ…だから、すぐに退治されるだろ…」修行が足りん。
松尾「腕がいてぇ…」けど、離れないからダンベルみたいに筋トレしながら、山を下りた。
その頃、鳥海山荘の前にある洞窟居酒屋「ムジナ」では、富樫がいきなり土下座、頭を下げて頼んで来たので、仕方なく嫌々ながら黒脛巾 くの一組 初音と楓は大掃除していた。
そこへ、コンコンとノックされ、
「すみません…」という声と同時にムジナの戸が開いた。
そこには青いショールの男性が立っていた。しゅるぅんとショールを取って「こんにちは」とにっこり笑って挨拶した調った顔立ちの長身(推定178、9cm)の青年(推定26,7歳)に、
初音「まぁ♪」と掃除の手を止めて、
楓「ぁら♪」とステキッと頬を赤らめた。完全にほだされた未亡人、こんな軽くていいのか?
好青年「お店、夜は何時からですか?商談に使いたいのですが…」
初音「商談?…ごめんなさいね。今日は定休日だそうです」
楓「私たち、ここのお掃除を頼まれただけで…」と壊れた椅子を持っていたから、
好青年「女性に日曜大工や力仕事は大変でしょう。トンカチ、ある?」と、被いていた笈を傍らに置いて「貸して下さい」と壊れた椅子やテーブル、諸々の力仕事を引き受けてくれた。
こういう女性になかなか難しいと思しき作業を黙々と淡々とこなしてくれる男性を見てたら、伊達お抱え忍者 黒脛巾組 くの一29歳 未亡人姉妹だって、ほだされちまうさ…。
洞窟があらかた片付いた所で一旦小休憩に入り、好青年を逃がさないように挟んで三時のティータイム…つまり、あれこれ詮索&質問タイムだが、好青年から根掘り葉掘りと話を聞くと、どうやら各地転々と反物を売り歩く服部の二代目である事が分かった。